「女子ってめんどくさい」


そう吐き捨てるように言ったのは、幼なじみのリンだった。

ぷくっと膨れた顔をして大好きなクマのぬいぐるみを抱えている。

「あー…」
何か喧嘩でもしたのだろうか、そんなことを思いながらバナナを一口、口の中へ入れる。

「レンはいいよね、男の子で」
ジッ、と睨みつける感じで見つめられる。
心なしかクマのぬいぐるみも不機嫌そうな顔をしているように見えた。

「…そう?」
「そうなのっ!羨ましいぃ」

よく分からないな

リンはサッパリしてるし、水泳の着替えが楽。髪や言葉遣いを気にしない…などと、男子の良い所を片っ端から語った。

「へー」

そんなたくさんの言葉を、いともあっさり相槌で返すレン。

リンの不機嫌度はさらに増したようで

「っあー…トイレ行ってくるわ」
「は!?待ってリンが入りたい!!」
「知るか」

レンは異常なくらい焦ってるリンを後ろに、バナナの皮をゴミ箱に投げ入れ
逃げるように部屋から出た。


リンとは幼なじみ。赤ん坊のときから一緒だし、双子みたいに育ってきた。






「ったく、なんであんなにイライラしてんだろ」

ミクに尋ねてみた。
ミクはレンの姉である。

「レンは馬鹿だなぁ」
乙女心を分かってないとかグチグチ言ってきた。

半分あきれているとき、ミクがレンに耳打ちをした。




「ねぇリン」

クマのぬいぐるみは放り出されていて、リンは漫画を読んでいた。

「ー…男子だってめんどくさいんだぞ?」



リンはレディーなのか
男子は女子に優先しなければならない。
所謂レディーファーストってやつだ。


「そう?」
「そうなんだよ」

さっきの会話の立場が逆になった。


「じゃあほら、さっさとトイレ行ってこいよ」

半ば強引に部屋からリンを追い出す。
廊下からはリンとミクの会話が聞こえた。

そんなミクの声が耳に残ってる。



『リンちゃん生理になったんだよ』


誰も居ない部屋の中でレンは少し恥ずかしさを持ちながら、クマのぬいぐるみに話しかけるように言った


「男子だってめんどくさいよ」


溜め息混じりの中、クマのぬいぐるみは少し困った目をしていた。











end

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

レディーファースト

思春期(?)リンレン!

ウチにしては珍しい双子じゃない設定←

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閲覧数:297

投稿日:2011/06/19 09:55:23

文字数:939文字

カテゴリ:小説

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  • 日枝学

    日枝学

    ご意見・ご感想

    『だっこ』読んで惹かれるものを感じたのでこっちも読ませていただきました。こちらの作品も短い中に起承転結あって、良いと思う。GJ!

    2011/06/22 21:41:56

  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    どうもです!
    ああ、さ-もんさんワールド……ぬいぐるみを抱えるリンを想像するだけでなんか癒される……←

    そう、男子だって面倒くさいのだ!男子は男子なりにくだらない悩みを抱えて生きているのだ!!いや、本当9割は馬鹿な悩みなんだけどね!!←

    あ、ちなみに俺に妹はいません、俺の弟がとっても可愛らしい妹だったらなぁ、と思ったのです。誤解を招く言い方すみません。

    2011/06/19 12:24:01

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