(昨日まではひとりぼっちが楽しかった
今日だけはひとりぼっちがつまらなかった
明日からはひとりぼっちをやめることにした)

寂しい少女に声掛けたのは
悲しい目をした素朴な少年
ぽっかりとあいた心の隙間を
埋め合うように二人手を取る

ふたりぼっちを知った少女は
少年に何もかも教えて、与えて、尽くして
次第にエスカレートする願いに
気付いたときには暗い暗い地下の地下

少女は云う 少女は云う
「私は神だ、欲しいものはなんだ」
電球を太陽と信じている
滑稽な姿 笑えるでしょう?

少年は云う 少年は云う
「一緒にいるから、僕も神なんだ」
真っ直ぐで優しくたって
欲が増えれば歪んでいくのでしょう?

狂った少年を訪れたのは
雄々しい出で立ちの精悍な青年
いつの間にか出来た溝を知る
友に向ける眼光じゃないことに

フタリボッチを知った青年に
少年は激怒し喚いて、少女は微笑んで
仲を引き裂こうする度に軋む空気に
鼓膜痛む刺々しい信じがたい言葉(オト)

青年は云う 青年は云う
「正気になれよ、帰っておいでよ」
闇雲に手を差し伸べたって
所詮夢に見る虚像でしょう?

少年は云う 少年は云う
「邪魔するヤツは皆消えてしまえ」
まるで挨拶をするかのように
それを当たり前にしたいんでしょう?

少女は云う 少女は云う
俯いたままクスクス笑って
顔を上げれば細い黒の隙間から鋭利な赤が貫く
「さようなら」

倒れてゆく身体
もがき苦しむ姿
何故と問うその目に映る
顔面蒼白の青年
少女が再び呟けば
消えてゆく少年

(貴様は神ではないということを、
自らの身で知るがいい)

少女の赤に青年は麻痺する
その存在は光であり闇であり
甘い香りを振り撒き
静かに緩やかに確実に
崩れゆく家で艶やかに誘(イザナ)う

少女は云う 少女は云う
「世界を魅せて、なんでもあげるから」
その笑みと言葉は酷く挑戦的で
甘美なメロディー

青年は泣く 青年は泣く
このままこの家と共に沈むのか…?
…ああ、なんて狡い取引
差し出された手が青年を疼かせる

「なんでもしてあげる」
「だって私は神様なのだから」

(どうせ貴様も醜いイキモノなのだろう)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

The child hid God.

暇つぶし相手に人間を選んだ神様の少女。なんでも願いを叶えてくれる少女を自分だけのものにすれば自分も神様になれると勘違いした欲深い少年。様子がおかしくなった少年を助けに来たが目の前で消えてしまい終いには何でも願いが叶うことに目の前が眩んでしまった青年。



「彼は私を閉じ込めるばかりで何も魅せてはくれなかった。貴様は、何を魅せてくれる?」

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投稿日:2012/08/24 03:01:07

文字数:915文字

カテゴリ:歌詞

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