閲覧注意
食事時にうpしといてあれですけど食事前は閲覧しないようにしてください。
お肉が食べられなくなる危険性があります。
ほか、精神的に不安なら絶対に閲覧しないようにしてください。
第二章が終わったら気持ち悪くない、さっぱりとしたあらすじを書く予定なのでそちらを見るようにしてください。
では、食後の方、精神力が鍛えられている方はどうぞ。
悪食娘コンチータ 第二章 コンチータの館(パート12)
じゅるり、とバニカがまるでゼリーを直接口につけて啜るような勢いで、シオンの脳髄を飲み干してゆく音が淡々と響いた。その様子をレヴィンはおぞましい瞳で、満足げに眺めている。対してリリスは、これまでは我慢していたバニカへの嫌悪感を隠し切れないという様子で、苦い表情をしながらその様子を見つめていた。リリスが手に持つワイン瓶が小さく震えている。だが今日はそのワインをバニカに傾けることはないだろう。そのグラスには、もう既にレヴィンが先ほど採取した、シオンの血液で十分に満たされていたのだから。
「美味しかった。」
脳髄の全てを、頭蓋にこびりついた切れ端まで全て飲み込んだバニカは、漸く満足した様子でそう言った。
「ご満足頂き、光栄です。」
慇懃に、レヴィンがそう答える。その言葉に軽く頷きながら、バニカは少し考えるように、光のない、ビー球のような瞳をバニカに向けている、首から上だけを皿の上に載せたシオンの表情を眺めた。
「やっぱり、残すのは駄目ね。」
続いて、バニカはしみじみとそう言った。そのまま、先ほど頭蓋をくり貫いたハンティングナイフを右手に持った。そのまま、先ほどくり貫いた頭頂部にナイフを当てて、一口サイズに丁寧に切り裂いてゆく。骨を割る硬く、そしてごつり、という重たい音が食堂に響いた。その薄い肉と皮膚がこびりついた頭骨に、サラダ代わりに添えられたシオンの頭髪を添えると、バニカはそのまま口に頭骨を押し込んだ。相変わらず、骨の固さを微塵にも気にさせない様子でバニカは頭骨を咀嚼しながら、僅かに不満そうに首を傾げた。
「いまいち、美味しくないわね。」
「それは・・。」
返答に窮した様子で、レヴィンがそう言った。その様子を眺めていたリリスが、嫌悪と呆れが混じりきって飽和したような口調で答える。
「当たり前です。熟成していないお肉が美味しいわけ、ありませんわ。」
「ああ、言われてみればそうね。」
納得したように、バニカはそう言った。レヴィンは何のことやら分からぬ、という様子で瞳を瞬かせたが、その様子を気に留めることもせず、ただ待ちきれない、という様子でバニカはリリスに向かって訊ねた。
「どのくらいの期間が必要かしら?」
その問いに対して、リリスは僅かに悩むように首を傾げながら、こう言った。
「鶏だと数時間、豚だと十日、牛だと二十日と言いますが。」
「そんなに待ちきれないわ。」
「ではとりあえず、一週間ほど様子を見られては。」
妥協案とばかりに提案したリリスの言葉に、バニカは深く考えるように口元に力を込めた。そのまま暫くの思考の後に、漸く納得したように答える。
「では、まず一週間待ってみましょう。でも、勿体ないから、頭だけは今日食べてしまうわ。」
それから一週間の間、バニカは新しい料理人のことを口にすることもなく、ただ人肉への興味を強く抱きながら毎日を過ごしていた。それまでの間、レヴィンとリリスが用意した食事に対して一言も文句を言わずに黙々と食していたのである。
そして一週間後。
「コンチータ様、お食事の準備が整いました。」
恭しく、レヴィンとリリスが食堂へと訪れると、バニカは待ちきれない、という様子で半ば腰を浮かび上がらせた。今日はとうとう、念願の人肉を口にすることが出来る。
「楽しみだわ、どんな味がするのか。」
バニカが興奮しながら、そう言った。
「その前に、コンチータ様、お手紙が届いております。」
片手に料理皿を載せたレヴィンが、恐縮とばかりにそう言った。そのまま、空いている左手に掴んだ、高級紙を用いた封筒をバニカの前に差し出した。その手紙を受け取り、バニカは半ば無意識に差出人を確認する。バニカの実妹である、フレアからの手紙であった。自身のことを案じて手紙を書いたのだろうか、とバニカは考えたものの、今は読んでいる時間が惜しい。それよりも、早く食事を、とバニカは考えながらその手紙をテーブルの脇に置くと、急かすような口調でレヴィンに向かってこう言った。
「今日はどの部位を食べることができるのかしら?」
「本日は肩肉を中心に。」
バニカの問いに対して、レヴィンがそう答えながら白磁の皿をバニカの目の前に置き、クロッシュを優雅な手つきで取り上げた。そこに現れたものは、一見骨付きの普通のステーキ、だが中身はシオンの右肩部分を切り取ったものである。
「今日は記念すべき日になりそうね。」
バニカはそう言いながら、レヴィンから普段利用しているハンティングナイフを受け取ると、丁寧に肉を切り刻み始めた。程よい具合に焼けているところを見ると、レヴィンとリリスの料理の腕前も多少は進化したらしい。脂身の少ない、しっかりとした肉感に満足しながらバニカは一切れをフォークで刺し、そして口に含んだ。
噛み切った瞬間、芳醇な香りがバニカの神経を走り去っていった。恐ろしく甘い肉汁と、ほんのりと酸味の残る味が舌先で踊る。
「ああ、ああ!」
言葉にならない、そんな声色でバニカはそう言った。これまで様々な美食を口にして尚、これほどの食材に出会ったことがない。最高、そう、最高!
「お気に召しましたか?」
満足するような口調で、レヴィンはそう訊ねた。ああ、美味しいわ、これは本当に美味しいわ、レヴィン。でも、今は余計な口を利く時間が惜しい。もっと、もっと食べたい。この味をしっかりを舌に覚えさせたい、バニカはそう考えながら、もう一口を口に含んだ。よく噛んで、十分過ぎるくらい味わなければ勿体ない。更に一口、更に、更に、更に。
瞬く間に、バニカはシオンの肩肉を食いつぶすようにその胃袋の中へと押し込んでいった。やがてその肉も尽き、食事の時間も終わりを迎える。
「コンチータ様、食後の紅茶をお持ちいたしました。」
白磁の皿が空になると、リリスがその皿を片付け、レヴィンがティーポットに入れた紅茶をバニカのカップに注ぎ始めた。極度の興奮のためか、心地の良い疲労を覚えながらバニカはとろりと流れる紅茶を見め、そして思う。
もっと、肉が食べたい。あの脳髄を、啜りたい。
リリスは今頃、厨房で皿洗いに勤しんでいるのだろう。料理人がいない時は、レヴィンが紅茶の支度を、リリスが後片付けをすることがなんとない決まりとなっていたから。だから、今食堂にいる人間は、私を除けば、レヴィン一人だけ。
そう考えながら、バニカは右手に握り締めたハンティングナイフに視線を落とした。余りに人肉に感動しすぎたせいか、手には未だにナイフとフォークが握り締められている。リリスが気付かなかったものか、或いはバニカの様子を見てナイフとフォークの回収を後回しにしたものか、それは分からない。だが、このナイフがあれば。
もっと、肉が喰える。
「ねぇ、召使さん。」
ふふ、と笑いながらバニカはそう言った。如何致しましたかと答えながら、何も考えてない、良く言えば無垢な表情をレヴィンは近づけた。その瞳を見つめながら、バニカは右手に持ったハンティングナイフを強く握り締める。
喰べたい。
沢山、もっと沢山、この美味しいお肉を、食べたい。
にたり、と哂って、バニカは言った。狂ったような、音程の外れた声で。
アナタハイッタイ、ドンナアジガスルノカシラ?
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