【コトダマ】
a
誰かを救える言葉なんて
自分を守れる言葉なんて
今は吐きたくないし今は聞きたくないんだ
a
綺麗な色した言葉ばっか
どこか見え透いた言葉ばっか
傷を舐めあっている なんて馬鹿馬鹿しいな
b
「痛みを知るたび強くなれる」
使い古された台詞をまた
錆び付く僕の心に刺して
君は満足そうに歌う
s
期待するのを辞めた僕の
目に映るのはセピアの景色
無理矢理に濃いインク 落とし込んで
君は一体何がしたいの?
ねえ、君は僕をどう変えたいの?
a
諦めることは容易かった
目を逸らすことも容易かった
今はそれでよかった、それでよかったのにさ
b
両腕に線を掻き殴った
裂傷は今も消えないまま
こんな痣に塗れた僕にも
「立ち上がれ」と囃すんだろ
s
「自分らしさ」を強いる癖に
欠伸さえ許してはくれない
退屈な講義は終わりにしよう
これが紛れもない僕だ
多分、どうしようもないだろうから
b
「零した涙は無駄じゃないよ」
真面目な顔して君は歌う
気休めに似た安い言葉を
優しい声で君は歌う
s
期待するのを辞めた僕の
目に映るのはセピアの景色
無理矢理に濃いインク 落とし込んで
君は一体何がしたいの?
でも、おかしいな熱を帯びていくー
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