<部室棟へ♪特別編 クリスマスマルシェ珍道中>
ミキ:升太さ~ん、また私とテトちゃん、両方同伴のクリスマスなんですか?
升太:? なんかおかしかったかな?
ミキ:クリスマスなんて大事な日位、そろそろテトちゃん一人に絞った方がいいんじゃないですか?
テト:そんなことないです! 私は必ずや、升太とミキさんをカップルにするのです! ハイ!
升太:テトもそう言っているし、いいんじゃないの? これで?
ミキ:はぁ~(だめだこりゃ)
升太:それにテト人形と一緒のクリスマスより、ミキも一緒の方が楽しいし
ミキ:え!?(ドキッ)
テト:ところで、升太? 今年は部室棟の飲み会とか商店街散策とは違うんだね?
升太:そう。今年は各自予定が合わなかったから、この3人で“クリスマスマルシェ”のお店巡りでもしようと思って
テト、ミキ:クリスマスマルシェ?
升太:そ。“マルシェ”はフランス語で“市場”、要するに“お店の集まり”。クリスマス本番まで、クリスマス関連の食べ物とか物品を扱ったお店が集まって開かれる“クリスマス市場”なんだ
ミキ:ふ~ん、面白いね
升太:ここは話では、例の商店街とかからも出張みたいな形で出店しているお店もあれば、他の街からの出店もある、なんでも屋的なクリスマスマルシェなんだって。ストリート雑誌の“ブルル”に載っていたから、今年はこれで行こうと思って
ミキ:楽しそうですね
テト:そうです! そしてこの“くりすますまるしぇ”を境に、升太とミキさんの仲はラブラブになるのだった! 完
升太:ラブラブじゃないっての!
ミキ:それに終わってないし・・・
テト:では、“れっつごう“なのです!
升太:それは俺のセリフだっての
こうして3人は、煌びやかなクリスマスイルミネーションに包まれた、クリスマスマルシェに入っていったのだった。
***
(出店「野菜ケーキのお店・HATSUNE」)
まず入り口付近に出店していた、樅(モミ)の木の緑色が映える、一軒の出店に、3人の目と鼻が向いた。
ミク:いらっしゃいませ
売り子のミクの前のテーブルには、緑色とオレンジ色と赤色がうっすらとしているカップケーキが売られていた。
ミキ:あら! なんかヘルシーっぽいカップケーキですね
ミク:はい。私、本業は青果店を営んでいるんですが、この時期は、野菜ケーキを作って売っているんですよ。これ、試食のケーキなんですが、一口どうですか?
ミキ:じゃあ、私、オレンジ
テト:テトは赤です!
残った“緑色のケーキ”を前に、升太は冷や汗を垂らして、たじろいでいた。
升太:(まて升太。このケーキだけは食べてはいかん、そう、本能が叫んでいる・・・どうしよう・・・)
ミキ:あー美味しかった! これ“キャロットケーキ”なんですね!
テト:テトのは、“クランベリーケーキ“、でした!
ミク:あの~、そちらのお客様、どうされました?
升太:(い、いかん・・・女の子にあんな目をさせてはいかん・・・しかし・・・)
テト:升太も緑のケーキ、さっさと食べるのだ!
ムギュ!
テトは緑のケーキを無理矢理、升太の口に押し込んだ。
升太:むぅお!・・・・・・・・あれ? 旨い・・・これ・・・“ほうれん草ケーキ”
ミク:はい! 当青果店自慢の新鮮な“ほうれん草”を使ったケーキです
升太:あ、は、はい、すみません・・・過去にネギ料理の経験があったもので、つい・・・
ミク:あ! お客様凄いですね! 実は当店の裏メニューで、“葱カップケーキ”がありまして・・・
升太:あ! いえ! このカップケーキセットだけ頂いていきます!
ミク:はぁ、お買いあげ有り難うございます!(ちぇ)
こうして1件目のカップケーキ屋では、カップケーキセットを買って、3人はお店を後にしたのだった。
***
(出店「クリスマスおみくじのお店・KAGAMINE」)
次に一行が立ち寄ったのは、人目で“神社っぽい”のがわかる出店だった。扱っているのは、手作りミニチョコだった。
ミキ:うわぁ! 美味しそう!
升太:えー、リンさんとレンさん?
リン、レン:はい? なんでしょうか?
升太:ツッコミ所満載のお店なんだけど、ぶっちゃけ、神社がクリスマスで、大丈夫なんですか?
レン:実は、姉のリンが個人的に参加したお店なんです・・・
リン:いーじゃん、神社だってクリスマスしたいし。それに神社らしくしたし!
ミキ:神社らしく?
レン:はい。実は売っているミニチョコの中に、文字入りのあめ玉が入っているんです。
リン:その文字に対応する“おみくじ”を私たちがお渡しする、そういうクリスマスおみくじなんです!
升太:こういうのは女の子の出番だな。ミキさんとテトがやってみてよ
ミキ、テト:わーい!
こうして、ミキとテトは、1個ずつミニチョコ飴を買い、口でコロコロさせてから、あめ玉を指でつまんで取り出した。
ミキ:“ふ-39”です
テト:“て-10”だよ
レン:はい、ではおみくじをお持ちします
こうして対応するおみくじを両名が手にして、開いてみた。
ミキのおみくじ:恋愛運「本心に正直に」
ミキ:? どういうことなの?
テトのおみくじ:仕事運「意外に順調に運ぶ」
テト:やったー! って、本当???
リン、レン:有り難うございましたー!
こうして3人は、不思議なチョコ屋を後にしたのだった。
***
(出店「ホットチョコレートのお店・LEO」)
升太:あれ? ここは喫茶店の雰囲気が・・・
ルカ:はい。喫茶店LEOの出店なんです。美味しいですよ?
ミキ:あの、“ホットチョコレート”ってなんですか?
ルカ:ホットチョコレートは、日本では“ココア”って言いますが、もっと甘いです
テト:はーい! 今度はテトが飲みます!
升太:うん、それがいいかな
ルカ:有り難うございます
ゴクッゴクッ
テト:美味しかったのだ!
ミキ:クスッ、テトちゃん、口の周り、白いお髭♪
ルカ:当店のココアは、ミルクもふんだんに使っておりますので
テト:ありゃ、テトはサンタさんになってしまったのです!
升太:なかなか似合っているぞ♪
テト:でもテトがサンタになったら、今日はプレゼントを配りまくらないといけないので、ふき取りますよ~
このお店では、和気藹々(わきあいあい)と和んだ雰囲気になって、お店を後にしたのだった。
***
(出店「秘密結社印のミニクリスマスツリーのお店・MEIKO」)
次はやたら派手な電飾をあしらった、目立つお店だったので、とりあえず眺める事にした。
メイコ:よってらっしゃい、見てらっしゃい!
カイト:当秘密結社の科学の粋を集めて作られた、このミニクリスマスツリー! 実は食べられます!
メイコ:飾って楽しんで、食べて楽しんで! ついでに入っているリキュールで酔っぱらって! 1つで3粒美味しい!
カイト:さぁ、買った買った!
ミキ:な、なんか・・・
升太:バナナのたたき売りだな・・・
テト:秘密結社って言ってるし、ここはパスですね
3人は、なんか掴まったら買わされそうという危険を察知して、そそくさとお店を後にしたのだった。
部室棟へ♪特別編 クリスマスマルシェ珍道中
☆今回は部室棟の特別編ということで、1話読み切りのクリスマススペシャル編です。
☆恒例のクリスマス専用ストーリーです。今年は部室棟のそれからをベースにして、“クリスマスマルシェ”を書いてみました。
☆クリスマスマルシェとは、クリスマス限定の市場の事で、クリスマスにちなんだ食品、物品を売るお店の集まりの事です。海外ではポピュラーで、最近日本のお洒落な街でも開催されているものです。
☆とにかく、現存するアペンド以外のボカロと一部の亜種を詰め込んでみました。
******
hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct
☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5
☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1
コメント4
関連動画0
オススメ作品
6.
出来損ない。落ちこぼれ。無能。
無遠慮に向けられる失望の目。遠くから聞こえてくる嘲笑。それらに対して何の抵抗もできない自分自身の無力感。
小さい頃の思い出は、真っ暗で冷たいばかりだ。
大道芸人や手品師たちが集まる街の広場で、私は毎日歌っていた。
だけど、誰も私の歌なんて聞いてくれなかった。
「...オズと恋するミュータント(後篇)
時給310円
自鳴琴ドール
何かを信じる事は 辛くなるだけだけど
私の全てを差し出すくらいに キミを想うわ
分かっていると思っていた事 両手に収まる程なんて
成した影はシリンダーの様に 私も私が分からない
少しの間だけ 鼓動を感じる 守ってあげる
円環の果て 不安になる 逆説的な庇護欲など
磁気人形 胸で泣いて良...自鳴琴ドール
飛弥タ息
Awaken
作詞作曲 雪男
ずっとまだ夢を見てる
夢が醒めた世界で
いっそまだ眠っていようかな
眠っていればさ 怖くはないな
あの雲の先はまだ見たことないのに
なぜ疑いもせずにボクらは
あの空に夢を見れるんだろう
いつかキミが見てた...Awaken
雪男
If I realize this one secret feeling for you
I dont think i would be able to hide anymore
Falling in love with, just you
Tripping all around and not ...今好きになる。英語
木のひこ
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
SAILOR
人知れず咽ぶ キミを夜毎魅る
滑る船は霧紛れ ただ西へ行く
波間に語り
キミを連れて淡々と 微笑みで返す
泣かないで 遍く日々に伝える 夢の花
哀しき痛みさえ キミを想い出す
鳥さえ行けぬ遠くまで あの蒼い歌
最果ての海
目醒めても努努 忘れずに生きて...SAILOR
飛弥タ息
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
tamaonion
ご意見・ご感想
こんにちは。読ませていただきました。
クリスマススペシャルということで、読み切り篇なのですね。
こういう趣向は、ホッとして楽しくていいと思います。
テトとミキ、キャラ的にはメインではありませんが、味があって良いキャラですよね。
ほのぼの、というかカジュアル?な感じがして、楽しい一話です。
よく、映画の宣伝とかで、出演者がチョットおふざけでメッセージを観客に言う予告編などがありますね。
ああいう「オフ感覚」で楽しませてもらいました。
Enarinさんのキャラ設定は、その人の「声」が聞こえてくる感じがして、良いと思います。
最近は長編メインに書かれてるみたいですが、欲を言えば、こういう短編をたくさん作ってくれると、すごく嬉しいなあと(笑)
贅沢な希望ですが。
では、また本編の続き、楽しませてもらいます。
2012/11/18 13:45:50
enarin
tamaonion様、今晩は!
> クリスマススペシャルということで、読み切り篇なのですね
はい、毎年クリスマスと一部お正月に、完全オリジナル設定か、これまでのシリーズに出てきたキャラを使って、読み切りを書いてます。連載中よりもシリーズ連載が終わった後の1作として書くことがほとんどですが、今回はシリーズ途中での番外編でした。
> こういう趣向は、ホッとして楽しくていいと思います
有り難うございます! これは毎年書いていて特に楽しいので、今年も書きます。たぶんシリーズ途中での執筆になるので、キャラをどうするか、今から思案中です。設定に関わってしまうモノはかけないですからね。
> テトとミキ、キャラ的にはメインではありませんが、味があって良いキャラですよね
テト&ミキ&升太、このでこぼこ3人も好きです。というかテトさん、あの3人組でも出てきたし、大事なキャラですね。
> ほのぼの、というかカジュアル?な感じがして、楽しい一話です
街の風景などは、私の経験を元にフィクションで書いてますが、この3人の掛け合いは完全フィクションです。クリスマスという”限定的1日”の風景なので、意外に書きやすいです。
> ああいう「オフ感覚」で楽しませてもらいました
そうですね、シリーズ終了後のキャラを使っている場合、その後としてかけるので、自由度が高いです。まじめ路線になることがほとんどないので、大好きなギャグでかけて、とても楽しいです
> 人の「声」が聞こえてくる感じがして、良いと思います
有り難うございます! たぶん、私の採用している”文体”である”台本みたいな書き方”だから、そうなるのだと思います。セリフがほとんどですからね。
> 最近は長編メインに書かれてるみたいですが、欲を言えば、こういう短編をたくさん作ってくれると、すごく嬉しいなあと(笑)
いや?、今のDear My Friendsシリーズの前は、1年で違う3作以上を書いていたので、全くもってすみません。でも番外編は書きますよ?♪
> では、また本編の続き、楽しませてもらいます
宜しくお願いいたします!
この度のご閲読、コメント、有り難うございます!
2012/11/18 18:31:30
nai☆
ご意見・ご感想
なんだか、ほのぼの♪(* ̄▽ ̄*)にゃは
そして、ボカロ(+α)の総出演とはなかなかやりますね。
ついつい、どの時点でバトルが始まるのかな?とか思いながら読んでしまいましたがw
あ、そうそう言い忘れるところでした。メリークリスマス!
…って、11ヶ月ほど早いですがw ブフッ∵(´ε(○=(゜∀゜ )
2011/01/17 22:21:43
enarin
nai☆様、今晩は!
> なんだか、ほのぼの♪(* ̄▽ ̄*)にゃは
はい。シリアス系、ゲーム系、バトル系、なんてのが、いつものパターンなんですが、今回は毎年恒例のクリスマス特別編として、部室棟の設定をベースに、珍しくほのぼの系でやってみました。いやー、ほのぼのはいいですね?。でもクリスマスとかバレンタインデー&ホワイトデーとか、そういう雰囲気の日の特別編でないと書きづらいタイプだと思いました。 にゃは♪
> そして、ボカロ(+α)の総出演とはなかなかやりますね
これを書いた時点での昨年も、ギャグですがミクロースのプレゼント配りで、結構詰め込みました。今回は入れ忘れのプリマさんを除くと、全部入れたはずです。ボカロも本当に増えてくれて、こういうボカロ小説を書く時、凄く助かります。キャラは出来上がっているので、それを演じさせるだけですからね
> ついつい、どの時点でバトルが始まるのかな?とか思いながら読んでしまいましたがw
いつものパターンであり、部室棟のネタだと、バトルになりますよね。クリスマス編は1話限定と決めているので、続き物になってしまうバトルは入れないことにしているんです?。ギャグかほのぼの。でもほのぼのもいい感じなので、連載小説でも使いたいですね。
> あ、そうそう言い忘れるところでした。メリークリスマス!
メリークリスマス!!!・・・・あれ?
> …って、11ヶ月ほど早いですがw ブフッ∵(´ε(○=(゜∀゜ )
ぐはぁ! 一ヶ月遅かったか、11ヶ月早いかですね♪ こういう日付限定の小説って、掲載が難しいですよね。
このたびのご閲読、コメント、有り難うございます!
2011/01/18 18:58:28
nonta
ご意見・ご感想
クリスマスですねー。
VOCALOIDクリスマス曲とかを聴いて気分に浸ってます。
中には妙な曲もあったりしますけどw
曲を流しながら読ませていただきましたら頭の中がイルミネーションと雪のイメージでドップリでした。
微妙な関係の三人ですが、無理に何か変えようとしなくとも今のままで充分幸せそうですね(*´∀`*)
2010/12/22 18:55:28
enarin
nonta様、今晩は!
> クリスマスですねー
今週はクリスマス週ですよね。どこもかしこもクリスマス1色です!・・・というかどこも25日昼までに一気に売り上げないと、かなり年間収益に響いてしまうからでしょうね。そして25日夜からバイト軍団で一気に正月へ。
> VOCALOIDクリスマス曲とかを聴いて気分に浸ってます
本当に素敵な曲、泣ける曲等沢山ありますよね。
> 中には妙な曲もあったりしますけどw
リア充爆発しろ、とか、ミクのクリスマス中止のお知らせ、とか、凄いのもありますね。私はクリスマスは楽しむタイプです。食べてばっかりですが。
> 曲を流しながら読ませていただきましたら頭の中がイルミネーションと雪のイメージでドップリでした
よかったです! 狙いバッチシ! この話は設定は”部室棟”ですが、何でもアリでボカロ総動員の豪華仕上げで、且つ、クリスマスイメージがかなり強い読み切りなので。実はこの話を書く前に、TVを見ていたら、ちょうどクリスマスマルシェの特集をやってまして、イメージが頭の中に残っている間に書いたんです。TVの番組内ですが、本物のクリスマスマルシェ、素敵でしたよ。
> 微妙な関係の三人ですが、無理に何か変えようとしなくとも今のままで充分幸せそうですね(*´∀`*)
そうですよね。なんだかんだ言って、この関係が一番楽しい関係ですよね。実際に”LEOのホットチョコレート屋”でのエピソードなんか、ほのぼのしてましたし。
色々な関係がある升太、人形だけど升太との仲が深いテト、ストーリー的になんだかんだでメインになったミキさん、この3人のデコボコ三角関係が楽しかったりしますね。
最近、死神設定のテトさんの沢山のイラストを見るたびに、この作品を思い出します。
このたびのご閲読、コメント、有り難うございます!
そして、少し早いですが、メリークリスマス!
2010/12/22 19:55:43
enarin
その他
すみません、海外ボカロの中に、プリマさんのセリフが入ってませんでした。実はプリマさん他、セリフがないボカロ達は、裏方で調理とかをやっているので、セリフがないんです・・・と思って下さいませ。
今、気づいてしまったです・・・
2010/12/22 14:25:19