<Dear My Friends!第2期 第36話 過去への出発>
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』)
ルカ姫、イア、チンシャンの一行は結局、あれから近場を回って、ルカ姫が好きそうな所に寄り、女子会的に楽しんで、早めに帰ってきたのでした。
ルカ姫:旅先での思い出はこれで十分。それより、思い出の街の、このアキバの未来の街で、少しでもイアといたいの…
イア:ルカ姫…
チンシャン:君たちがそう言うのなら、私は出発の準備に戻るよ。ルカ姫もここでの思い出作りと平行して、準備はしておいてほしい。普通の旅ではないからね
その会話の後、各自が自分達の仲間の元へ戻っていった。ルカ姫とイアはテル達が準備や寝泊まりをしている区域へ、チンシャンはマカが帰ってきての仕事と寝るだけの部屋へ帰って行った。
部屋というのは、ベースキャンプの近くで営業している民間のホテルの部屋を借りている物で、無論、宿代はマカ持ち。
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 マカの部屋)
マカ:チンシャン、少し早めの帰還だが、君の休暇も今日付けで終了だ
チンシャン:了解してます! 私も過去への旅路の準備、これから行わせて頂きます!
マカ:うむ。ただ過去へ行く事は、他とは意味の違う移動となる。テルにも一応注意しておいたが、彼もイア君とルカ姫の一件でかなり懲りているようだ。なので、おそらくその知識のない君には、準備の前に連絡しておくことにする
チンシャン:は!
マカはあらかじめパソコンで出力して印刷しておいた連絡書類1枚をテーブルに置いた。
1)過去に持っていって、もしなんらかの形で紛失してしまって、未来に大きな影響を与える物品は携帯禁止とする。特に我々が何気なく使っている“新素材で出来た道具”、“ギア”、“新技術を多く取り入れた機械で出来た武器類”、“新材料で出来た食べ物、ただし携帯食程度なら許可”
マカ:言うまでも無いが、ルカ姫が持ってきてしまったイア君の素材で、アキバの方は問題ないにしても、こちらは多大な問題を抱えてしまったわけで、それは我々は向こうに行った場合、今度は向こうの世界の律や未来、つまり跳ね返ってきて我々の存続にも関わるのだ。故に、この事には十分気をつけて欲しい。
チンシャン:了解です。気をつけます
2)過去のアキバにおける、重要人物の殺生を禁ず
マカ:これは当然だな。今いるこの未来そのものが大きく変わってしまうからだ。自分の命に関わるエンカウントだった場合は、殺生をせず、拘束などの手段を使って切り抜け、できる限り我々と接触した記憶を深く残さないようにして欲しい
チンシャン:十分気をつけます
マカ:私が指定した“接触して欲しい重要人物”以外とのできる限り、出会わないようにするのが一番だ
3)過去の食べ物をあまり食しないこと。持っていった携帯食などでできる限り対応すること
マカ:これは単純に、腹を壊さないためだ。過去の世界では“医師”にお世話になれない。我々の携帯薬でなんとかする
チンシャン:ということは、今回の過去への旅は、長期戦ではないんですね?
マカ:ああ、できる限りさっさと済ませて帰ってきたい。その予定だしテル達にもそう伝えてある
4)過去の建造物を、命の危険があった場合を除き、破壊しない
マカ:これは一応の保険的項目だ。建造物程度なら修復出来る程度なら構わないが、“命の危険“、つまり、どうしてもやむを得ない場合のみとする。特に重要建造物の場合、いかなる場合でも不可だ
チンシャン:そんな状況に置かれない事を願ってます
マカ:あとの細かいことは、この書類に目を通して貰うとして、それでは旅路の準備に取りかかってくれ。私はまだ忙しいので、ギリギリまで執務を熟し、それから手早く準備する
チンシャン:では、準備に取りかかります!
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 テルの部屋)
主要の4名が集まっていた。
テル:…
ルカ姫:…
イア:…
ミゥ:…
沈黙が部屋を包んでいた。つまりは、
『イアの事』
なのである。
ルカ姫:あ、あの…
テル:すまないが、イアを素材に戻す事は決定事項だ。そして、それ以外の手段がない。残酷な現実を語って申し訳ないが…
ミゥ:ごめんね…。私の“時間跳躍ベースマシン”のネックレス、そしてタイムリープの能力、これはイアさんを使う以外に他に…
ルカ姫は、目をつむり、大きく深呼吸し、そして顔つきを真顔に変えて、改めて会話を続けた。
ルカ姫:…ごめんなさい。覚悟が足りませんでしたね。はい、もうちょっとここにイアを居られる時間を大切にします
ミゥ:ごめんね…
テル:すまないが、そうしてくれるとありがたい
そういうと、マカから手渡されていた“時間跳躍に関する諸注意”の書類を、そこの4名、及び、合計枚数で全員分を配った。
テル:マカから受け取った書類で、事前に説明も受けた。既に我々はイアとルカ姫の“過去から異世界から持ってくる物品”については痛い経験がある。その事をまとめてくれたので、詳細を読んで、それに従って、旅路の準備をして欲しい
ルカ姫:は、はひ・・・・すみません・・・・・・・・
各自が渡せる他のメンバーの分も受け取った。
テル:それでは、他のメンバーも各部屋にいるし、今日も遅い。食事を取ったら、各自部屋に戻って、準備を始めてくれ。ルカ姫はイアと同室を用意して置いたので、すまないが、イアは“ルカ姫のお目付役”をしていてくれ。キミなら問題ないだろう
イア:はい、しっかり見張ってます!
ルカ姫:イア~勘弁してよ~
テル:それでは明朝また
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 リンとレンの部屋)
二人とも、再びの旅路の準備をしていた。
リン:なんか、今回の件、もう何回“旅路の準備”をしたんだろうね、レン?
レン:何度目だか、正直忘れる位だけど、おかげで慣れてきたよ
リン:私の魔法関係の道具は、過去に持っていっても、術者がいないと役に立たないから、結構幅が広いけど、レンのは、引っかかる物だらけでしょ?
レン:ああ、俺の最強ブロードソード、あのマージ戦で強くなったのに、このままじゃあ持って行けないから、テルに再錬成して貰って、このダガーになっちゃったよ…。(´・ω・`)
レンは、せっかく最強だった剣が、目の前の最強っぽいダガーになっていて、しょんぼりしていた。
リン:私のは、“コスプレ”とかいうので通るからそのままだけど、レン、可愛そう…
そう言われたレンは、リンにこれ以上心配かけまいと、ダガーを格好良く構えて、勇ましく答えた。
レン:いや、大丈夫だ、問題無い。俺はダガーだって、プロ級の腕だ。このダガーだって、使いこなしてみせる!
リン:頑張ってね
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 学歩とめぐみの部屋)
学歩:う・・・・うむぅ・・・・
めぐみ:まぁ、仕方ないじゃ無いの。貴方の“日本刀”は、流石にアキバの世界で“コスプレです~”は通じないから…。一番最初は何とかごまかせたけど、これだけの大所帯での移動では流石に…
学歩:う、うむ…。まぁ、テルの再錬成で、“脇座”になった故、これで立ち回るとするでござるよ…
めぐみ:がんば! 私のクリスナイフは、ちゃんと隠しておけばいいみたいだから
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 3人組の部屋)
ミズキ:私のは問題ないみたいね。でも、ゆうまのソノノーパソ、大丈夫なの?
ゆうま:いや、流石にダメだった。今回、俺のギア類は全部だめそうだ。護身用のナイフを持っていくよ。ただ向こうのノーパソを入手出来る機会があったらラッキーだ。それで間に合わせるよ。それより、あそこで呆然としている、“りおん”、大丈夫か?
りおんは再錬成して出来た“メリケンサック”を見て、呆然としていた。
りおん:あちしの・・・・あちしの“ウォーハンマー“が・・・こんな物に・・・・・
ゆうま:仕方ないじゃないか、あんなの戦闘無しの世界の町中で持てるわけないじゃん…
ミズキ:それでもテルさんの話では、攻撃力は同じそうよ? ぶん殴るに変わっただけなんだから…
りおん:この恨みは、その博士とかなんとかいう奴にぶつけるのだ…
ゆうま:おいおい…
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 ルコとデフォ子達の部屋)
デフォ子:私たちはメンツから外れたけど、なんか手伝わなくていいのかな?
モモ:各自、“これはだめ”って物を選びながら準備したり、テルさんに再錬成して貰って、武器変換したり、各自で大変そうだから、私たちはこっちの世界のお手伝いにして、見守ろうよ
ユフ:そうだね
ルコ:我々はこの国の防衛が仕事だからな
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 キョウとティエンイの部屋)
キョウ:あ・・・姉貴・・・
ティエンイ:気にするな、その姿でも弟は弟だ。私はメンツ、お前はメンツから外れている。確かに“戦闘だけの存在”は連れて行けないな。私とマカ様のギアはあくまで“緊急時”の能力として使うとして、今回は博士一択だから
キョウ:・・・・・気をつけて用事を済ませて、帰ってきてくれ…
ティエンイ:ああ、用心するよ
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 ミゥとイグゾウの部屋)
イグゾウ:私もメンバー入りですが、道具類は大丈夫ですよね?
ミゥ:特殊装置はないですか?
イグゾウ:これらは、昔から使い続けている“一般的”な技師の道具ですし、これで何とでもなります
ミゥ:ふふ、お互い頑張りましょう
イグゾウ:ありがとうございます。戦闘力はないですが、何かの役に立ちます!
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 チンシャンの部屋)
チンシャン:私はギア無しでの旅路か…。どんな乗り物でも乗りこなすのが私の特技。頑張るしか無いか…
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 テルとアペンドの部屋)
アペンド:テル、私のは、こっちの過去でも大丈夫なのかな?
テル:ああ、キミの経験と、ルカ姫の話から判断して、どっちの世界でも、その程度なら“コスプレ”とかいうので誤魔化せるだろう。レンや学歩の武器はダメらしいが
アペンド:全く、はた迷惑な博士ですね、その『カリマ博士』とかいう運動家は…
テル:マカの話では、用件があるのは、その博士だけらしいから、用件が済んだら、帰って来れるだろう。前の件も含めて、もうこれ以上、過去と関わるのは勘弁願いたい所だ…
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 ルカ姫とイアの部屋)
ルカ姫:えっと~、イア、これは・・・・アウト?
イア:だめ
ルカ姫:(´・ω・`) じゃあ、これは?
イア:アウト
ルカ姫:(´・ω・`) じゃ、じゅあ、これは?
イア:だめっぽ
ルカ姫:うううううう・・・・・・私の持ち物、特例のイアと私の魔弾銃だけじゃないの…
イア:我慢してください。過去が大きく変わったら、色々大変なんですから…
ルカ姫:うう・・・・イア、じゃあ、これは?
イア:却下
***
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 マカの部屋)
マカ:カリマ・・・・・必ず、落とし前付けるからな・・・・・・・・
(続く)
CAST
イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン
異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI
ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん
ミゥ:Mew
欲音ルコ(ルコ):欲音ルコ
唄音ウタ(デフォ子):唄音ウタ
桃音モモ(モモ):桃音モモ
雪歌ユフ(ユフ):雪歌ユフ
義 井具蔵(ヨシ イグゾウ)(イグゾウ):某演歌歌手
ゾラ・キョウ(キョウ)=生まれ変わったルォ:ZOLA PROJECT (KYO)
チンシャン:某女性中華ボカロ
マカ:某少年中華ボカロ
ティエンイ:某女性中華ボカロ(ルォの姉(こちらが本家“ルォ・ティエンイ”で、女性中華ボカロになります))
その他:エキストラの皆さん
Dear My Friends!第2期 第36話 過去への出発
※ボカロ小説作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の続きです。
☆第36話です。
※ナンバリング的には2期になります。
☆ピアプロとpixivの同時掲載をしてます。
※ボーカロイド小説です。が、ボカロのファン設定とかボカロの名前を変えると、オリジナルモノになります。なので、二次創作の二次は、ボカロの名前位です。
○今回も1話分を短めにした、ファンタジーRPG風味の長編です。現在もピアプロに続きを連載投稿しており、完結しておりません。
☆2期では、”イアさん”と”ルカ姫”のW主人公で行っていますが、シナリオによって、軸が変わっているところもありますので、そこら辺はご愛敬で…。
☆過去への旅の準備の話です
☆過去を変えると色々面倒なんです…
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星も見えない
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残ったまま
本当はどこにも行きたくない
もう少しそばで
きみと話をしていたい...星も見えない ー 巡音ルカ
NI2
A1
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恥ずかしそうに笑いながら
うんと答えた
その時
胸がズキンと痛んだ
心では聞きたくないと思いながらも
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けんはる
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
幕が上がると同時に、観客達の【目】は彼女たちに...Crazy ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
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