†贈り物†

「レン見て!ほらっ!新しいドレス!お母様からいただいたの!」

声がするほうを見ると、新しい黄色のドレスを着たリンが立っていた。
やっぱりリンは何でも似合う。
微笑みながら、リンを見ていると
「そう言えば、レンにもあるってお母様が言ってたよ!」

「えっ?僕にも?」

「うん!行こう!」

嬉しい…!どんな服なんだろう?
僕は期待に胸を膨らませながら、リンと共にお母様の部屋に向かった。

「失礼します、お母様!」
いつものように2人で声を合わせ、お母様の部屋に入った。

「あら、レン。リンから聞いたかしら?」
「はい。」
「これ、あなたによ。」

お母様が差し出したのは、リンとお揃いの色の服だった。

「わぁ!レン、リンとお揃いだ!」
リンも喜んでくれてる。
僕だって嬉しい!
これでリンとのお揃いは何着目になったんだろう。
目を輝かせて服を見ていると、

「レン!着替えて!」
「そうね。レン、部屋で着替えてらっしゃい。」
僕は喜んで部屋に戻り、お母様からいただいた服に着替えた。

ちょうど着替え終わった頃、リンが目に涙を浮かべながら慌てて僕の部屋に入ってきた。
「レン…!お母様が…お母様が倒れちゃったの…!早く来て…!」

リンの表情を見て僕は今までにない胸騒ぎがした。
まさか…!!
すぐにリンの手をとり、急いでお母様の部屋に戻った。

ほんの2週間前、お母様は僕に話した。
お母様の命はそう長くないということを……
僕はリンと走っている間、そのことが頭から離れなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

悪ノ召使3

本日3度目の投稿ですw

閲覧数:419

投稿日:2010/07/22 19:46:19

文字数:652文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました