大嫌いなあなたへ

いつも思うけどあなたって本当に酷いわよね。
だって、いつも嫌なくらい一緒にいたのに、嫌って言ってもついてきたのに。
なのに、何で？
私をおいて独りぼっちにするの？
どんだけ後悔したって知らないんだからね。
あなたも、あなたを奪ったのも、絶っっ対に許さないわよ。
女の子が怖いってこと、いつか本当に教えてやるんだから。
本当に覚悟していなさいよ。
絶対、絶対会いに行ってやるんだから。
私を軽く見たこと、本当に許してやらないんだから。






ここまで書いて、ペンを置いた。
まだまだ書きたいことはある。
でも、何度書いても何枚書いてもまだまだまだまだ全然足りない。
少し休もうかな。

鏡を見れば、私の顔。
でも笑っちゃうわ。
どうしてこんなに涙でぐしゃぐしゃなんだろう。
鏡に映るのは、私じゃなくて後悔なのね。
今すぐキスしてくれるなら、許してあげるのに。
無理でしょ、そんなこと言わないわ。
私はそんな安くないもの。
私の恋物語の一番の悪役のあなただもの。

私を置いていくなんて・・・。
早く帰れ！　帰ってこい！！
夜の下、瞬く星の中でハニカんでたあなた。
私を見て笑った、本当にむかつくわ。

あぁ、もう、手紙の続きを書きましょう。






私を笑って、ずっと遠いところから見て・・・。
今まで傍にいたんだから、傍にいればいいでしょ。
なんでいないの。

あぁ、本当に、あなたは私を裏切ったのね。
何で、私のところに来たのかしら。
何で、愛してるって言ってきたの。

こんな事になるんだったら近づかなかったのに。


それでも、





書いても書いても何もない、変わらない、届かないのかしら。

宇宙で一番大っ大っ大っ嫌い。
だって、だって、私を置いて逝っちゃうなんて・・・ねぇ。
私はそんなの認めない、認めてあげない。
大キライなんだから。

嘘ばっかり。
本当は好きなくせに。
何よりも愛おしいくせに。

もう・・・会えるんだったら、すぐにだって会いに行きたいのに、遠すぎよ・・・。

あなたの方が絶対悪いわ。
私の目を水でいっぱいにして、止めてくれないのだもの。
私の心を、持っていってしまったのだもの。


手紙の最後にはこう書いた。



それでも、
あなたのいる空と、私のいる地面との遠距離恋愛だけど、私はあなたを愛し続けます。




この手紙を、綺麗な星空の下で燃やした。
灰は火の粉は、空に舞って消えて行く。


晴れている星空の下、たった一粒だけ降った雨、って何だったんだろう。