その場所を知っているのは私だけ
道のりを誰も知らなかったから
そこで一人になることがとてもとても
平穏をもたらすから眠っていた
そこでだけ時計が回り忘れたように
呼吸も思いも願いもゆっくり刻まれる
見せかけの世界から逃げては過ごす
遠い遠い真っ暗な森の奥の奥
その場所に行っているのはあの子だけ
道のりをみんな知らなかったから
そこへ一人で行くことはとてもとても
逡巡をもたらすからつけ回した
そこでだけ笑顔が鍵を忘れたように
かように暗きも揺らぎもさっぱり捨てられる
偽物の世界からアジトへ逃げる
軽い軽い滑稽な道の先の先
いつもと違うその先の本心を見ていると
魔法にでもかけられたように気になって
話しかけたくなってしまうけれどだめなの
普段のあの子は鎧だらけだし
ここを知ってるのバレたら逃げられるし
黙ったまま何も見なかったふりで
ずっとやり過ごすって決めたから
遠くに柔らかな笑みを見つめたまま
見失った見失ったどこに行った?
ヒミツの道いつもの道どうしよう?
コソコソと探しても見当たらない
気がつくとフォークを手に後ろ側
「知ってたよ見ていたの前からね」
おしまいだもうだめだごめんなさい
握りしめ震える手そっと取り
引き連れてその先で待ち受けた
「お茶会をしたいから、はいあーん」
手に持たせケーキ出し差し出した
語らずも押し込まれ甘かった
今日からはとっておきふたりきり
そこでだけ時計が回り忘れたように
呼吸も思いも願いもゆっくり刻まれる
見せかけの世界から逃げては過ごす
遠い遠い真っ暗な森の奥の奥
甘い甘いたっぷりと載せた気持ちの星
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