A1
苦しいと、ただ一言
助けてと、ただ指先
伸ばす事も、できないまま
膝小僧、抱えたまま

B1
素直だと思う。
感情のまま泣いて笑って。
素直だと思う。
奔放で我侭な気質。

C1
だけどいつも、真ん中の部分、言えないの。
だからいつも、真ん中の部分、癒えないよ。
だからいつも、真ん中の部分、見つけて欲しい。
だからきっと、要らないんでしょ、言って良いよ。
行って良いよ。


A2
寂しいと、ただ一言
痛いよと、ただ爪先
縋る事が、できないまま
十の指、組んだまま

B2
まともだと思う。
安寧の中泣いて笑って。
まともだと思う。
幸福で満たされた生活。

C2
だけどいつも、真ん中の部分、空いてるの。
だからいつも、真ん中の部分、飽いてるよ。
だからいつも、真ん中の部分、埋めて欲しい。
だからきっと、居なけりゃ良いの、言って良いよ。
行って良いよ。


C3
震える指、煙草の煙、誤魔化して。
痛い頭、掻き毟る胸、知らん顔。
拓いた傷、ジクジクと痕、大事なもの。
言えなかった、気付けないから、知っていてよ。
本音の向こう。

C4
だけどいつも、真ん中の部分、言えないの。
だからいつも、真ん中の部分、癒えないよ。
だからいつも、真ん中の部分、見つけて欲しい。
だからきっと、要らないんでしょ、言って良いよ。
行って良いよ。
だからきっと、居なけりゃ良いの、言って良いよ。
行って良いよ。



110706 青捩子
いつだって本音の一歩手前。