「王子様だったらカイト兄さんか僕かどっちがいい?」

可愛らしい表紙の本に意識を向けているミクの気を逸らそうとするようにレンはそう尋ねた。
冗談のような口ぶりではあったが瞳も心も真剣そのもの。
しかしミクは意識も視線もレンに向けることはなく、本を読みながら「カイト兄さん」とさらりと言ってのけた。

落胆の表情がレンに浮かぶ。
ミクはちらりとレンの方に視線を向けるとクスリと悪戯っぽく微笑んだ。
その表情を見逃さなかったレンは少し怒ったようで「意地が悪いよ」と頬を赤く染めて言った。

「分かってるくせに」
「うん。でもそんなの面白くないじゃない」

パラリとミクはページを捲る。
後ろから首に手を回し、ぴたりとレンは抱きついた。
自分から迫ったにも関わらずレンの心臓は音が伝わるのではないかというくらいに鼓動を打ち、顔は林檎のように真っ赤だった。
ぎゅうと握った手が汗ばむ。
対してミクは冷静で後ろにいる存在にドキリともせず悠然と本を読んでいる。
しかし意識はレンに向けられているようだ。

「分かってるくせに」

もう一度レンは言った。

「うん。分かってるけど確かじゃない。ね、レン」
「……意地悪」
「私の王子様はレン。貴方のお姫様は?」

本からやっと目を離し、顔を後ろのレンに向ける。
にっこりと微笑むミクを見てか単なる恥ずかしさから来る赤みかは分からないが先ほどよりも顔が赤くなって、もぞもぞと動く唇からは確かに

ミク、と言葉が紡がれた。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私の王子様。僕の、

レンミク。
中々「好き」と言いだせないレンと気持ちを分かってて言わないミク。
初投稿です。口調とか性格とか一人称とかこれでいいのかな…?

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投稿日:2009/08/27 23:26:21

文字数:632文字

カテゴリ:小説

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