-第十二章-
「――行こうか」
そう言ってレンは、お昼ご飯を食べ終えて醤油煎餅をバリバリと音を立てて頬張るリンをせかした。行き先は決まりきっている。次の試練を与えてくれる、守護者のもとだ。
口にいっぱいの煎餅を詰め込んで、リンは手で無理やり口を閉じ、ぼりぼりと噛み砕いてお茶で流し込むと、頬についた煎餅のかすを指で取りながら、レンに聞いた。
「次はどこに行くの?どんな人が相手なの?」
「次は…城下町。守護者の中で、俺を除けは最年少だよ」
「どんな試練なんだろうね?ちょっと楽しみになってきたかもっ♪」
「今日はちょっと遠いから、早めに出よう」
「うんっ」
そういってリンとレンが探偵事務所を出て行こうとしたとき、事務所に黒いスーツを着た『誰か』が入ってきた。背が高く、二人よりもずっと上に目線があるのだろう。二人は小柄であるから、同年代の子供よりも小さめではあるが、一応140センチメートルはあるのだ。顔も確認できないほどの背丈といえば、160センチメートルほどのおおきさではないのだろう。久しぶりの依頼人らしい。カイトもさぞかし喜ぶことだろう、これで二人が遅く帰ってきても、いくらかお説教の時間が短縮されることが決定した。
予想通り、スーツを着た誰かは事務所の扉を開いて、少し頭を下げてドアを通った。そのままでは頭がつっかえて、中に入れなかったようだった。
ふわりといい香りの漂う、イズアとはまた違った風ではあるが、やはり城下町ということもあり、栄えているように見える。落ち着いた雰囲気のカフェやレストランが立ち並ぶ通りを抜けると、観光名所か何かで有名なのだろう、他の場所よりも多くに人が集まって、賑わいを見せている。それをとおりすぎると、また落ち着いた雰囲気が漂う住宅街へと入った。レンガ造りの家やら、石造りの小さなパン屋がちらほら見え、その中を通っていくが、人影はほぼない。さながら、ゴーストタウンといった風だ。
そんな民家のうち、一つの前でレンは立ち止まった。
インターフォンを押すと、中から大きなツインテールの少女が、ドアを開いてひょっこり顔を出した。
そうしてレンの姿を認めると、ぱあっと顔を明るくして、二人を家の中へと通した。なかは少し殺風景であるが、生活必需品はあらかたそろっているように見え、所々にある絵本は手作り感に溢れている。
「久しぶりだねぇ、レン君。あれ、彼女ぉ?モトカノに彼女を見せ付けにきたんだぁ?」
「も…っ!?レン、どういうこと!?」
「どういうことも何も…。デマだから。ミク姉、来るたびそういう嘘をつくの、やめてくれない?」
「それにしても、二人ともそっくりだねぇ!」
素早く話をそらした少女は、紅茶をいれて角砂糖を添えると、そっとリンとレンの前にさしだした。角砂糖は三つ添えられていて、レンは迷いなく三つを紅茶に落とした。それを、スプーンでかき混ぜてのむ。いい香りと甘くフルーティな味が、口いっぱいに広がって、それだけで大人になった気分になってしまう、不思議な紅茶だ。
「ああ、それで?何か用事があったんでしょぉ?」
話し方がゆっくりとスローもションである。
「そうそう。こいつに試練を受けさせてやって欲しいんだ。ルカとがくと、メグの試練が終わってて、ミク姉の試練もいけさせてやろうと思って。いい?」
「いいけど…。どうしようかなぁ。うん、きめた。犬の散歩、いってきてくれなぁい?」
「え?」
きょとんとしたリンは、思わず聞き返してしまった。
「試練を…」
「じゃあ、この子だからぁ。今、リード(犬の首につける紐のこと)もってくるからねぇ」
そんなリンのことなどお構いなしに、ミクはドンドンと行動を進めてしまう。
言葉のスピードとは違う、素早い動きだ。
「あはは、お客さんなんて、どれくらいぶりだろぉ♪」
そろそろ、紅茶でも入れて一休みしようか。
そう思いながら、ルカは立ち上がった。大きな声で烏が『ギャア』と鳴いた。ドアノブに手をかけようとしたとき、コンコンとドアをノックするものがいた。
「どうぞ、はいって?」
そういって、中に通そうとした。そしてドアが開きかけて何かがその場に崩れ落ちた。それは、ルカがいつも召使のように世話をしてもらっている、レンの姿をした(させた)式神以外の何者でもなかった。背には切り裂かれたような痕が数本。
「な…っ!?」
視線を上に上げると、そこにいた影がゆらりと動き出し、その手がルカの肩を強い力を持って捉えた。その衝撃に、ルカの体ごと侵入者がドアを背にして倒れた。肩をつかまれ、抵抗できないルカは、どうにか相手を引き離そうとするが、どうもうまくいかない。
侵入者は空いているほうの手に持っていたナイフをルカのほうへとむけた。青くキレイなルカの目に、ギラリと怪しく光るジャックナイフの切っ先が鮮明にうつった。
真実のガーネット 13
こんばんは!
今回は急展開ですね!
さあ、事務所にやってきたのは誰なのか、何の目的なのか!?
ミクの思惑とは!?ルカの運命やいかに!?
…みたいな。ああ、やってみたかったんです、番宣みたいなのを。
しかも下手だな…自分。
さーて。後、守護者は一人ですが。最後の一人は、亜種さんです。一応これまでにちょくちょく出てきてます。わかりますよね、誰なのか。
でもネタバレ禁止ー♪
そのうち出てくるんで、ココロの中にシマっておいてください。
それではまた明日!
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