夕焼けの紅い色に
街路樹が色づいてく
そんな頃 この店の
窓辺で僕は目覚めた

street 歩く人が
足を停めて 見上げてる
小さめの マヌカンに
着せられた僕を見てく


大きな紙袋
歩道にそっと置いて
ウインドウを覗き込んだ
優しい微笑みに


僕は初めて恋をした
この女性(ひと)を暖めたいと
心から思えたんだ
ただのセーターなのにね

それが僕に向けられた
笑顔 ではなくても




街染める Xmas
窓の外に 光るツリー
幾たびか 僕を手に
取る人は いたけれども

まだ僕は ここにいるよ
窓際の左端
小さめの マヌカンを
ハンガーに着せ替えられて


凍てつくイヴの夜
流れた君の涙
ウインドウを覗きこんで
赤い目を隠して


僕はなんにもできぬまま
その頬も 拭えないまま
君の肩 降り積もる
雪の白さが 哀しい

もしも僕が動けるなら
包んであげるのに



月日は流れ続けていく
季節も春へと動いていく
僕の居場所も窓際から
在庫処分のワゴンへと



バレンタインも終わる頃
くたびれた僕を見つけて
レジにそっと差し出した
冷えた指先 優しく

少し笑顔 取り戻した
君に抱かれて

また素敵に 笑えるまで
僕が暖めるよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

Cashmere

みるくかふぇさんのアルバム「恋スルタイヨウ」収録。
原題は「Cashmere's Love Song」。
ご注文は、処分品のカシミアのセーターみたいな僕を彼女は拾ってくれた、でも僕は・・・というようなストーリーでした。
書いてるうちに、カシミアという素材を絡めるなら擬人化しちゃったらどうかと思い始めて、当初とはかなりデッサンが狂ってきました。いろいろと考えて第一稿を提出・・・みるくかふぇさんから素敵なバラードをいただいて、曲からのリスペクトもあって書き直して完成に至る、という今回のアルバムの典型みたいな作詞経緯を経ています。
みるくかふぇさんに感謝感謝。

閲覧数:226

投稿日:2019/10/29 05:52:39

文字数:524文字

カテゴリ:歌詞

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