ゴーン ゴーン ゴーン

教会の鐘が三度鳴る。

“嗚呼…、もう時間か…”

そう薄く呟いて、“僕”は断頭台の前に立った。
ふと目を向けた民衆の中に、僕は“彼女”を見つけた。
民衆が喜びに沸く、その真ん中で…彼女は泣いている様だった。

“馬鹿だなぁ…。
リン、バレてしまうよ…泣かないで。”

…僕達の運命は、いつからこうなってしまったんだろう。
双子だというのに、運命共同体にはなれなかった二人。
僕は複雑な気持ちで笑って、彼女から目をそらす。
そして、準備が整い、僕の身体が断頭台にセットされた。

「…教会の鐘は時を告げた!
王女よ、最期に何か言い残すことはあるか?」

革命軍のリーダーらしき、赤き鎧の女剣士の至極冷たい声が聞こえた。
僕はその問いにほんの少しだけ悩んで言った。
僕が大好きだった、彼女の口癖を。

“大好きだよ…いつまでも、大好きだよ…リン”

「…あら、おやつの時間だわ。」

ザシュッ


むかしむかし、あるところに大変豊かで栄えていた王国がありました。
その国の王様と王妃は、歳の差は激しかったものの大変夫婦仲が良く、その施政の良さから国民達に人気でした。
ですが、老齢の王様はまもなく病に倒れ、元から身体の弱い王妃は自分の身体を省みず、懸命に看病をしました。
しかし、そのかいもなく王様は亡くなってしまいました。
国民達は王様の死に、嘆き悲しみました。
もちろん、残された若き王妃も。

…ですが、この国を襲った悲劇はまだ終わりませんでした。
王妃は、死んでしまったのです。
小さな命二つと、自分の命を引き換えるようにして。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

『鎮魂歌はいらないよ、姫』(レクイエム)

ちなみに、この世界は前作『悪ノ目撃者』と同じ世界観です。
よって、架空のオリキャラがほんの少し出る予定ですのでお気をつけを。
それでもオッケーと言う方は、ぜひ読んで頂けると嬉しいです!

閲覧数:1,050

投稿日:2010/09/05 23:54:34

文字数:680文字

カテゴリ:小説

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