♯2 【旅に出会いはつきものです。】

 次々と景色が横に流れていく。
見えるのはいつもの街並みで、見慣れている筈なのに、どこか違う。
そんな妙な感覚に囚われた。

 電車に揺られながら、僕はただひたすら外を眺めていた。

 さっきと変らず、よく晴れてる。


 だんだん電車のスピードは緩やかになり、駅で止まった。

 僕の乗った駅とは違い、人がたくさんいた。
でもみんなケータイをいじったり、人と喋ったり、一向に誰も乗ってくる気配はない。

 いや、そうじゃなかった。
 
 僕の気付かない間に、ひとりの女の子が乗っていた。

 その子は学校の帰りなのか、長袖のシャツを肘の所まで腕まくりしていて、紺のスカート、黒のハイソックス、ローファーという格好だった。

 僕がじろじろ見ていたのが気になったのか、その子はこちらに歩いてきた。

 そして、僕の少し手前で止まる。

 その子は、ショートヘアで前髪をピンでとめていた。

 とてもかわいいと思った。
同時に、誰かにとても似ていると思った。

 でも、何故だかそれは思い出せなかった。

 「そこ、いい?」

 ぶっきら棒に放たれた言葉。
僕は、
 「どうぞ。」
と、へらりと返す。

 僕の前に、向かい合うようにして座ったその子は、
 「名前は?」
と、睨んできた。

 僕の背筋は、その子の視線でピンと伸びた。

 「…レ、レンです…。」
僕がそう答えると、その子は眉尻を下げ、とても悲しそうな表情をした。

 「あの…、君は……?」

 とても言い出しにくかったが、自分は名乗ったのに、相手は名乗らないのが少し癪に障ったので、思い切って訊いてみた。

 「リン。呼び捨てでいい。」
僕をちらりと見て、小さくいった。

 それから僕は、リンに何を話していいか分からず、重苦しい沈黙だけが残った。

 すると、トンネルに入った。





 僕とリンは、やっぱり向かい合わせで気まずいまま、何も喋らなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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幽霊列車

リンちゃん登場です!!

次から…、いろんな人に会っていきますよww

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閲覧数:197

投稿日:2012/06/01 21:33:19

文字数:835文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    レンの名前をきいて、さみしそう…?
    タイトルが幽霊列車……?

    その時、私の中で一つの仮説が誕生した…

    誕生した……

    誕生した……


    だけだった←ええええええ

    2012/05/10 00:50:11

    • イズミ草

      イズミ草

      えええ!!
      その仮説が聞きたかったなあ…ww

      最後に全部結びつくようにしたいので
      今は、意味分かんなくても
      スルーしてください!!w

      2012/05/10 13:28:04

  • つーにゃん

    つーにゃん

    ご意見・ご感想

    相変わらず素晴らしい文才の持ち主で…

    ここのリンは無口なのですか?

    2012/05/05 15:41:49

    • イズミ草

      イズミ草

      いやいや、けったいな文章ですw

      今無口な理由も
      だんだんわかってくると思いますねww
      思いがけない彼らの行動が
      また発生するかもですしw

      2012/05/05 17:05:00

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