いない　いない　ぼくはいない
君の映る世界にぼくはいない
何をしても届かない　手を伸ばしても
冷たい感触が残るだけ

今日に限って雨は降らない
地面は乾いている
視界は薄くなっていって
取り残された街に
花の残り香を求めた

孤独と苦痛が身体をよぎる
生きるのでさえ苦しいよ
でも君のために
また明日花を持ってくるよ

逢えない　和えない　悲しみに
優美なヒヤシンスの祈りを
やがて散る花びらに償いの誓いを
ささげよう

君が去っていくら経ったか
あれから元気にやっています
雲も晴れて心地よいです
でもぼくはもう
君の下へ行きます

失った感情は息をして
乾いた大地に草をはやす
やがて芽吹き
赤紫が踊りだす

救えない　救えない　灯に
ヒヤシンスが色どり並ぶ
やっとつないだ手は
いつもより暖かい

いない　いない　ぼくはいない
孤独な世界にぼくはいない
やっと会えたんだ　
放してたまるもんか

救えない　救えない　二人の愛
残酷なヒヤシンスの夢は
醒めて僕らを
祝福している