初めてのキスは涙の味がした-


 そう、それはまるで。いつもテレビで見ているドラマのような恋だった。
 他の人からみればそうでないのかもしれない。けれど、十五年と少しだけしかまだ人生を歩んでいない私にとっては、それはドラマみたいな。いや、それ以上に素敵な恋だった。
 いつものようにせわしなく人達が行き交う駅のホームの雑踏が先程までは聞こえていたはずなのに、今はもう聞こえない。
それ以上にせわしなく。激しく動く私の心臓の音と、すぐ間近にある彼の微かに洩れる息遣いの音だけが今の私の世界の全てとなり、それ以外はもうなにもない。なくなってしまって構わないとすら思えた。
電車の車内へ乗り込んでいく人達が、すれ違いざまにこちらを見ていくのが気配でわかる。けれど今はそんな事どうでもいい。
頬を伝う涙も、言えずに詰まらせた言葉も。
全てを汲んで、彼の唇が私のそれに重なっているのがわかるから。

あぁ、お願い。できることならこのまま-

押さえ込んできた想いが、震える心に促されるままに溢れそうになる。
彼の息が、熱が、優しさが。全てが一点を通して私に流れ込んできて、私の心を解いていく。
重なり合わせた唇を動かし、気持ちのままに私が言葉を紡ごうとしたその時-

ホームを満たす喧騒が耳へと甦り、まるで見計らったように電車の発車のベルが鳴り響いたのだった。

ライセンス

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【小説】ありがとう、さようなら【初めての恋が終わる時】

とりあえず出だしだけ。
オフライン中心のため更新のろめです。
15歳。卒業を控えた冬という設定であの名曲の世界を自分なりに読み解いて書いていきたいとおもいます。
あ、二月のボーマスでこの話しの本出します。
よろしくお願いします。

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閲覧数:428

投稿日:2009/01/09 07:13:53

文字数:596文字

カテゴリ:小説

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