「…え?どういうこと…!?」


初音は驚愕を顔に浮かべた。



「…何も起こらない!!どうして!?」



僕は驚いていたが。落ち着くと、すぐにその理由を理解した。



「…初音。僕らは消され、生きても死んでもいない状態だ。だから今、僕らのコマは存在しないはずだよ」

「どういうことよ!?」

「そのコマは偽物…コマは、本物でないと効果がないんだよ!」

「神威、どういうこと!?」

「君は知らなかったのか!?この、神の空間の4つのルールを」

「神の空間の、ルール…ですって!?」



神の空間のルール。先ほどカイトとルカが話していたことで知った。



「一つ目は、消えて‘存在しない’はずのコマは、本物でないとスゴロクの効き目はない。」

「…私たちは、存在しないって言うの!?」



僕はその問いには答えず、あえて話を進める。



「二つ目は、欲が強すぎる者は、神やそれに近い存在にはなれない。」

「あなただって、‘この世の秩序’に関する欲が強かったじゃない!」

「それについては、欲が強すぎる者が‘七つの大罪’の、どれかの罪を犯したとき」

「七つの大罪、ですって?私がどんな罪を犯したというのよ!?」



七つの大罪は、強欲・傲慢・怠惰・暴食・嫉妬・憤怒・色欲からなる大罪。

その中の初音の罪は…




「君の罪はまず、神の座が欲しいという強欲。

 自分の計画を邪魔する者は消すという傲慢。

 落ち着いて、冷静になることを劣った怠惰。

 この世の全ての知識を食らい尽くすかのような暴食。

 神に等しい立場を妬んだ嫉妬。

 神になれないという怒りの憤怒。

 そして、知識を得るために色気を振りまいた色欲だ」




「すべての罪ですって!?」

「そうだ」



初音は欲が深すぎて、七つの大罪に近づいてしまった…

それと、もう一つの理由がある。



「そして、三つ目は…現代の神が、次代の神を、決めたときだ」

「なんですって!?」

「その次代の神が決まったとき…その選ばれた者は、神となる」

「私は…選ばれなかったの…!?」

「そうだ…君は、すべてのルールを破っているから…」

「そんな…じゃあ…誰が神に選ばれたの…?」

「それは…」



僕は息を吸い込む。

瞬間、僕の体は光に包また。

そして



「新しい神は…僕だ」



神の衣服を、身にまとっていた。



「…あなたが…選ばれたっていうの…!?」

「そして4つ目は…もし七つの大罪を全て犯した者が居るのなら…


 神が直接、手を下すということだ」





僕は、初音に向き直った。

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【リレー】僕と彼女の不思議な日常 13

閲覧数:604

投稿日:2011/10/22 22:40:08

文字数:1,110文字

カテゴリ:小説

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