時間が空きすぎましたが、続きいきます。
※注意
・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・名前の捏造っぽいところがあります(がくぽ→樂十とか)
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。
・あくまで、イメージとしてとらえているので、モデルの曲とかけ離れているかもですが、ご了承ください。


以上がOKという方だけ、お読みください。








「‥うそ‥‥だろ‥‥?」

その少女に、海斗は思わず足を止め、言葉を失った。

「‥めー‥ちゃん‥‥?」

そこにいた少女──芽衣子は、いつも変わらぬ表情で微笑みながら、海斗を無言で見つめていた。

「‥‥久しぶり、海斗」

──久しぶりって‥さっき別れたばっかりだろ‥‥?

「‥あ‥えっと、ひ、久しぶり‥‥!」

そう言って駆け寄ろうとした、そのときだった。海斗は、ふと、例えようのない衝動に駆られ、はっとして足を止めた。

──‥な‥なんだ‥この感じは‥‥。

「‥どうしたのよ‥海斗?‥私だよ‥‥?」

──‥目の前にいるのは‥‥めーちゃんのはずなのに‥‥。

「おいでよ、海斗?」

──‥‥なのに‥なのに‥行けない‥いや、感覚的に‥近寄っちゃ行けない気がする‥‥!

「どうしたっていうの?」

はっと海斗が我に返ったかと思うと、芽衣子は、彼のすぐ隣に立っていた‥‥。

「‥‥‥っ!」

あわてて彼女の近くから離れる海斗。

──‥なんだろう‥この人は‥この娘(こ)は‥めーちゃんじゃない‥‥!

「‥ねぇ、海斗‥‥」

芽衣子がそう言ったとき、海斗は、彼女の手に、鋭く銀色に光るものを見つけた。

──‥いけない‥‥!

彼女の手が、スッと動いた瞬間、海斗は静かに、じりっ‥‥と、半歩下がると、

「‥君はめーちゃんなんかじゃない‥‥!」

「‥‥そうかしら!?」

その言葉と同時に、彼女の手から、短剣のようなものが数本、海斗のほうへ飛んでくる。

海斗は、それ気がついて、すぐさま近くにあった石の破片を拾い上げると、身をかがめ、忍者のように芽衣子の隣を走り去った。

そのときに、彼は、

「‥めーちゃん、ごめん‥‥っ!」

「‥‥‥っ!」

ふと、芽衣子が、痛みに顔をしかめる。彼女の足首には、尖ったもので引っかいたような跡がついている。

「‥痛いだろうけど‥こうするしかないんだ‥‥」

小さい頃から、家族のように芽衣子と育ってきた海斗にとって、例え掠り傷とはいえ、傷をつけることは心の痛むことであった。

ぐっと唇を噛み締めた後、海斗は、台の上にある紅刀を手に取り、すぐさま芽衣子に向き直る。

「‥随分と皮肉なもんだ‥‥」

──‥まだ、めーちゃんじゃないと分かった訳じゃないのに‥‥。

「‥さっきは‥めーちゃんじゃないと決め付けてごめん‥‥。2,3質問をするけど‥いいかな‥?」

「‥別に、いいわよ。聞きたいことを聞きなさい」

──‥めーちゃん‥じゃない‥。その証拠を掴むまでは、攻撃なんて‥できない‥‥!

「めーちゃんの、今の家族は‥‥?」

「私の家族は‥火事で死んじゃった‥でしょ‥‥?」

哀愁を漂わせたその言葉に、海斗は、

──‥う~ん‥‥これぐらいじゃ、本人かどうかなんて、分かる訳ない‥か‥‥。

「じゃあ、それより前に言った絶景の場所では、何が見えていた?」

「‥‥夕日、でしょ?簡単じゃないの」

「町医者の名前は?」

「氷山清輝先生──町で有名な先生で、村から出たときに、一緒にいた先生。優しい人よ」

「じゃあ、村を出たときにその人から──」

「巫女の衣装。母さんが体調悪いのに夜なべして作ってくれたもの」

「じゃあ、僕が手がかり拾ったものは──」

「カンザシ。紅葉色の」

「‥‥僕のコト‥治療してくれたけど、どの場所だった‥‥?」

「背中。海斗のお父さんが、鍋を棚から落としちゃって、それで、私を守ってくれて、それが背中に当たって怪我したでしょ」

そこまで聞いて、海斗は違和感を感じ始めた。

──‥おかしい‥‥いくらなんでも、知り過ぎている‥‥。まさか‥本人か‥‥?

「‥‥どうしたの?海斗」

──でも‥こんなところにめーちゃんがいるはずは‥‥。いや、でも、樂十さんとかの助けがあれば、でも樂十さんは地図を持ってないし、こんなところに、独りで放置させるはずがない。

「~~~っ!!どうりゃいいんだよ‥‥っ!」

そう言って、壁をおもいっきり蹴った、そのとき、彼の懐から、何やら、ぽとりと落ちた。

「‥ん‥‥?これは‥‥」

それは、海斗が、持っていたお守りのうち、芽衣子に渡していないほうのお守りだった。

『行ってらっしゃぁーい!!絶対ただいまって言うからねぇーっ!!』

ふと芽衣子の笑いながら泣いていた顔が浮かぶ。そして、お守りを、こちらの芽衣子に見えないように懐に直すと、

「あとひとつ、質問があるんだけど‥いいかな‥‥?」

「‥‥‥?なにか?」

「僕がめーちゃんに渡したおまもりは──」

「紅葉色」

芽衣子はそう答えたのだが、海斗は、キッと彼女を見つめて、

「──ですが、そのもう片割れ、僕が持っている方のお守りは、何色かな‥‥?」

「‥青‥でしょ‥‥?」

──‥やっぱりそうか‥‥!こいつは──。

海斗は、突然、ふっと意味ありげな意味をを浮かべて、紅刀を元の場所に置くと、

「──ざぁ~んねぇん!はずれだよ」

「な‥‥っ!」

「‥これ‥なぁ~んだ‥‥?」

そう言って、海斗が懐からゆっくりと取り出したお守りの色は──。

「‥紅葉色‥‥っ!!」

そう、彼の手に握られていたお守りは、芽衣子に渡したものと、そっくり同じ、紅葉色だったのだ。

「‥本物のめーちゃんだったら‥ちゃんと当てているはずだよ‥‥?」

「──証拠は?」

しーんと静まり返る宮殿内。海斗は、無表情になると、

「──小さいとき、一緒にお揃いで、めーちゃんの実家で買ったお守りだよ」

「‥‥‥」

ぐっと両手を握り締め、黙ってうつむく芽衣子。

「‥‥めーちゃんじゃない‥じゃあ、君は一体何者なんだ‥‥?」

「‥わ、私‥‥私は──」

ついに、少女は、その重たい口を開いた。




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・17 act3 彼女と紅葉とボクと──。

はい!やっと続きが書けました!

夏休みとはいえ、塾があったものですから、中々構想を練る時間が無くて‥‥って言い訳ですね、はい^^;

海斗が、初期の海斗と随分違ってきてる上、なんだか成長しているようです。

果たして芽衣子は本当に偽者なのか、偽者ならば何者なのか、まだまだ分からないことばかりですが、乞うご期待!

P.S.前バージョンの仕方が分からないので、知っている方は教えていただけたら幸いです;;

閲覧数:506

投稿日:2010/08/11 16:33:50

文字数:2,649文字

カテゴリ:小説

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は!、まだまだ暑いですね~♪、早速続き拝読させて頂きました!

    さて、今回ですが、偽物暴きですね。今回の相手はかなりのくせ者。相当のレベルまで知ってましたね。でも、海斗の機転で、どうやら偽物らしいという所まで解りました。かなりギリギリの線の判断でしたが。

    さて、彼女は誰なのでしょうか!。ワクワクです!。

    P.S:前バの方法ですが、私が”本文6000文字以上の作品の投稿をするとき”に使っている方法です。

    1)最初から本文の元データを分ける線として「***」等で”区切り”を付けておく。ここで分けた本文の下を”後編”、上を”前編”とします。
    2)投稿するときは、いつもの通りですが、本文は”後編”だけにしておきます。
    3)”後編”の投稿が終わったら、作品ページの右側の”作品情報の編集”をクリックし、本文などのデータが表示されます。
    4)本文を入力する部分だけ変えます。チェックなどはそのままにします。
    5)本文の所にある”後編”を消して、”前編”をワープロソフトなどからコピペします。チェックをそのままにしておけば、”後編”が前バとして残り、”前編”が新しい文章として投稿されます。
    6)後は確認して、OKをクリックします。これで、後編が前バ、前編が投稿ページの一番前に来ます。

    3ページ以上になる場合、一番先が3ページ目。その後、上の操作を、2ページ目、1ページ目で入れていけば、1ページ目→前バ1つ目が2ページ目→前バ2つ目が3ページ目、となります。

    1つのページの上限は6000文字。長い章だとすぐ越えてしまいます。あと、1つの章を無理矢理6000文字で区切ると変になるので、大概、約4000文字+約5000文字とかで分けてます。

    でも1つ問題があるのは、修正しづらいことです。修正する場合は、”本文を残す”チェックを外して、まず1つのページだけにしてしまい、本文を残すチェックを再度入れて、修正する全文を区切った、新しいページ本文を同じように入れていけば、差し替えられます。

    このページを新しい物に差し替える、ってのは出来ないようです。変えるなら全部丸ごとです。

    ちょっと駆け足でしたが、私が使った方法は、こんな感じです。

    ではでは~☆

    2010/08/11 19:19:34

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >enarinさん
      毎度ご拝読&ご感想ありがとうございます!

      >今回の相手はかなりのくせ者。相当のレベルまで知ってましたね。
      そうですね?。このレベルまで知ってると、さすがに判別がしにくくなりますが、芽衣子との別れ際に、彼女に渡したお守りが唯一の救いとなりました。
      がしかし、まだまだ安心はできません。彼女が偽者なら、一体何者なのか?それを徐々に次回から明かしていきたいと思います!

      さて、話は変わりますが、前バージョンのことについてのご指導、お手数ですのに、わざわざありがとうございました^^
      次回から、長くなりすぎたときは、その方法を使いたいと思います。

      さてさて、ある宮殿の中にいた?彼女?を芽衣子でないと見抜いた海斗。芽衣子でないのなら、一体何者なのか?乞うご期待!

      2010/08/12 16:52:17

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