パラパラと捲る表紙と
止める指のしなやかさが
表裏一体 交差するは
誰も居ない 本の館
まずは序章
はやく幕よ開け
手を叩いて
息を荒くして
生唾飲み込む子供たちの喉
大人に負けじと貪欲に動く
無邪気な欲望 好奇心を抱きしめ
パラパラと捲る表紙と
小さな子の残酷さが
支えあって 共に生きる
廃れ朽ちた 本の館
物語の
幕が裂けていく
我が先と
争う姿に
爛々輝く子供の眼に
大人にもうない罪悪が見えた
無邪気な欲望 もう逃げられはしない
「ようこそ、みなさん。私の世界へ。
さよならを捨てて、永遠をどうぞ」
文字と挿絵だけ 何もない世界
子供は泣き出し 助けを求める
助けて 助けて
助けて 助けて
助けて 助けて
助けて 助けて
パラパラと捲る表紙が
小さな子を迎え入れる
仮面を着けて 迎えるのは
緑の目の 女主人
パラパラと捲る表紙に
音に誘われ 子供たちが
誘いあって 行き着いた
廃れ朽ちた 本の館
あの子供たちは 物語の中
活字と挿絵に のまれては消える
ああまた新たな 子供を誘いましょう
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