(S)「愛してる」
その言葉重ねるほど
怖かった
見る影もなく潰える孤灯が
絶望に冒されたキルケゴール
どこまでも堕ちていって
君を想うよ

(A)錆びつく揺籠の鳥に
残した僅かな時間の中で
誰が為に奏でられる
婚姻の交響曲ならば
不快なる雑音で
かき消してあげましょう

(B)鐐の翼広げた
ミカエルさえ見放すような
救いようのない[哀/愛]しみ
時は既に手遅れ
狂気 片手 思い出して
見返る幸福 戻れなくて
涙に濡れたブルーリール
虚偽の記録、教条
『返して』

(S)永遠に繰り返す恨み歌を
病める日も歎く夜も君に捧げよう
金声に煌めいた行為の調べ
嘘つきな君の言葉忘れはしない

(A)燻る柩匣の猫
背中合わせの真実に委ねて
我が為に奏でられる
葬送の狂詩曲ならば
不吉なる賽で
占ってあげましょう

(B)鐡の翼広げた
ルシフェルさえ畏れるような
金星に濡れたマリーローズ
幻想の記憶、感情
『殺して』

(S1)「愛してた」
その言葉 重ねるたび
怖かった
跡形もなく毀れてく能が
背徳に逃げ込んだベルフェゴール
どこまでも堕ちていって
君を呪うよ

(S2)「愛してる」
君の言葉 聞きたくない
君が囁く相手は僕じゃないのでしょう?
「愛してる」
その言葉 重ねてけば
意味なんて
とうの昔に薄れていた

(B)水瓶を溢れ出してく
重すぎた僕の愛情
どこまででも流れてゆけ
硝子の靴浸して
白の処女 硝煙彩
赤の衝動 林檎染めて
祭壇上 誇り高く
黒の花嫁 散り逝け

(S2)最果てに繰り返す愛の唄を
病める日も死せる瞬間も君に捧げよう
禁制にゆらめいた恋の標
裏切った君の言葉赦しはしない



(ひらがな)

(S)あいしてる
そのことばかさねるほど
こわかった
みるかげもなくついえることが
ぜつぼうにおかされたキルケゴール
どこまでもおちていって
きみをおもうよ

(A)さびつくゆりかごのとりに
のこしたわずかなじかんのなかで
たがためにかなでられる
こんいんのシンフォニーならば
ふかいなるノイズで
かきけしてあげましょう

(B)しろがねのつばさひろげた
ミカエルさえみはなすよな
すくいようのないかなしみ
ときはすでにておくれ
きょうき かたて おもいだして
みかえるばしょ もどれなくて
あめにぬれたブルーリール
きょぎのきろく、きょうじょう
かえして

(S)えいえんにくりかえすうらみうたを
やめるひもなげくよるもきみにささげよう
きんせいにきらめいたこいのしらべ
うそつきなきみのことばわすれはしない

(A)くすぶるかんばこのねこ
せなかあわせのしんじつにゆだねて
わがためにかなでられる
そうそうのラプソディーならば
ふきつなるダイスで
うらなってあげましょう

(B)くろがねのつばさひろげた
ルシフェルさえおそれるよな
ほしにぬれたマリーローズ
ゆめのきおく、かんじょう
ころして

(S1)あいしてた
そのことば かさねるたび
こわかった
あとかたもなくこわれてくのが
はいとくににげこんだベルフェゴール
どこまでもおちていって
きみをのろうよ

(S2)あいしてる
きみのことば ききたくない
きみがささやくひとはぼくじゃないのでしょう?
あいしてる
そのことば かさねてけば
いみなんて
とうのむかしにうすれていた

(B)みずがめをあふれだしてく
おもすぎたぼくのあいじょう
どこまででもながれてゆけ
ガラスのくつひたして
しろのアリス しょうえんいろ
あかのアリア こころそめて
さいだんじょう ほこりたかく
くろのマリア ちりゆけ

(S2)さいはてにくりかえすあいのうたを
やめるひもしせるときもきみにささげよう
きんせいにゆらめいたこいのしるべ
うらぎったきみのことばゆるしはしない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

亡き堕天使の為のスケルツォ

精一杯の言葉遊びをちりばめました。(つもりです)
ストーリー的には…
AさんがBさんに恋をしていたのですが、Bさんが他の人と結婚することになり、
Aさんは真っ白なワンピースで式場へ降り立ち、銃で自殺します。
Bを呪うために。
ずっとずっと忘れられないために。
「白いドレス――? いいのです。だって、今日は僕のお葬式ですから」

閲覧数:396

投稿日:2012/04/16 23:13:10

文字数:1,574文字

カテゴリ:歌詞

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