「ねっねっ蒼ちゃん、 人と動物ってさ、結婚できたのかな?」








「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」











何でそんな話いきなり? と蒼が聞くとCV02の方のリンはへへ、と笑いながら一冊の本を蒼に手渡した。その本を蒼がペラペラと捲っていくと「あぁ」と思い出した様な声を出した。
「これか。作者が好きな某ゲームの神話をもじった奴」
「言っちゃダメだよ蒼ちゃん!バレるよ!?」
「大丈夫大丈夫。何か苦情あったらここ出てくから」
えぇー・・・と明らかに不満そうな顔をする。しかしそれをすぐに変え、「でさっ」と話を元に戻す。
「ああ、人と動物の?リンはあったと思う?」
「んー・・・。どうだろうな?昔話とかだったら面白いとは思うけど・・・。・・・でも本当にこんな事なかったよね?」
恋とかならあったかも知んないけどさー、と言いながら笑うリンを蒼はじっと見つめていた。そして独り言の様に「フーン・・・」と呟き、そしてまた独り言の様に、こう言った。

「なら、リンは信じられないかもね」
「え、何が?」
耳聡く蒼の言葉を拾ったリンは首を傾げた。蒼はクスリ、と笑うと「ううん、何でも無いよ」と応えた。




応えたのと同時に、二人の後方から声がした。


「蒼、紫音が本返して欲しい、てさ」

落ち着いた少し低いメゾアルトの声。後ろを向くとそこにいたのは黒く美しい髪を高くポニーテールにした、炎の様な紅い目を持つ長身、スタイルの良い女性だった。
「あ、炎(エン)さん」
リンが唖然としている間にも蒼は慣れた様子で女性―炎に今持っていた本を手渡した。
「そう言えばしーちゃんから借りっぱだったね。ごめん、て言ってた、て伝えてくれる?」
「了解」
炎はそう応えて トンと軽くジャンプをし、天井の板が外れていた所(恐らく炎が開けたのであろう)に上手く入り、そして板を元通りにピタリ、と閉じた。その後天井から音は何も聞こえてこなかった。

我に返ったリンが慌てて蒼の方を見ると蒼は何時もの様に落ち着いていた。
「ちょちょちょちょっと!蒼ちゃん!落ち着いてる場合!?てゆーかあの人誰!?何で天井から来てんの!?しかも物音全くしてないし!」
「あー、リンはこっちに来てからそんなに日が経ってないもんねぇ~。あの人は炎さん、て言って私の友達。まぁ私よりもしーちゃんといる事が多いよ」
「紫音ちゃんと・・・?」
「うん。で、天井から来てるのは          別に理由は無いよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  はぁ?」
「炎さんは小さい頃から空手とか柔道とかその他にも世界の格闘技殆どマスターしてるんだよね。んで、一ヶ月くらい忍の元で修行した事もあるらしくてねー。本当に忍にならないか? て真剣に言われた位なんだって。でも五歳の頃に空手の道場行くの辞めちゃったんだって」
「何で?」
リンが聞くと蒼は少し寂しそうにニコリと笑ってから

「炎さんのお母さんが             亡くなってから、かな」

そう言った。
「・・・・・・ ・・・・・・そう・・・なんだ」
「うん。まぁ、だからあの人の家事スキルかなり高いんだけどね。料理もすっごく美味しいよ~」
「へー、そうなんだ。ちょっと食べてみたいなぁ~」
少しうっとりとした顔で空を見つめるリンの姿を見て蒼は今度は面白そうにクスリと笑う。
「じゃあ今度私が頼んであげるよ。何か作ってくれる様に」
「本当!?じゃあ私クッキーとかケーキとかが良いな!」
「アハハ、そんなに食べられないでしょ?皆の分作ってもらおうよ」
皆、と言う単語に反応したのかピクリとリンが動きを止める。「ん?どしたの?」と蒼が聞くと
「ん・・・。だってさ、炎さんは家族・・・いないんでしょ?なのに・・・」
「あ、それなら大丈夫だよ」
「え?」
少し俯かせていた顔を上げリンは青を見た。蒼はリンを見つめたままクスリと笑った。
「炎さんは大人数分作るの、慣れてるから、しーちゃんのお陰で。・・・まぁお陰って言えるかは分かんないけどね。心配しなくても大丈夫だよ」
「紫音ちゃん?何で?」
リンが問うと蒼は応えずにクスクスと笑って「何時か分かるよ」と言った。そしてふと笑うのを止め、ポツリと呟いた。
「あの本の話してる時に炎さんが来たのも必然・・・かな」
「え?今なんて?」
首を傾げリンが聞くと蒼は首を振り「ううん、こっちの話」と言った。
「さて、と。それじゃこれ。新しい楽譜。リンのだよ。タイトルは・・・『春の風』歌ってくれる?」
蒼が聞くと パァッとリンの顔が輝き、「歌う歌う!」と言って パッと楽譜を取り嬉しそうにえへへ、と笑った。
「じゃ、蒼ちゃん早速音取りしよ!早く歌いたいよ!」
「はいはい」

少し困った様に笑ってから、蒼は スゥ、と息を整え そして歌い始めた。


















「あー、因みにしーちゃんの方が炎さんより二つ年上だよ」
「嘘っ!?」




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

紅き尋ね人

数日後―・・・蒼の自宅にて

「・・・」
「・・・」

「・・・何これ・・・」
「ものすごい量の料理だ・・・」
「ケーキだけでも数十種類はあります・・・。素晴らしいです・・・。最早芸術に近いですね・・・」
「・・・すいません、作りすぎました。アイツ用に作るのとごっちゃになって・・・」
「アイツ?」
「あ、炎だー。久し振りーっ!」
「しーちゃん」
「おう、やっほ。・・・って何この美味しそうな料理!食べて良い?」
「・・・好きにすると良い・・・」
「わーい!いっただっきまーす!」
(ガツガツムシャムシャガツガツ・・・)
「凄い食い意地だな・・・」
「食べてるペースは普通に見えるのにどんどん料理が消えていく・・・」
「炎さんが言ったアイツって紫音ちゃんの事?」
「(コクコク)」
「あー、幸せー」

・・・て事でまたオリキャラでした。さあ、この話に出た某ゲームのネタが分かる人はいらっしゃるかな?

・・・駄文失礼しました!

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投稿日:2010/04/29 22:42:06

文字数:2,071文字

カテゴリ:小説

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