『僕の友達のHatsuがイラストはじめたそうなのでぜひ見てみてください!』
友達。
『僕の恋人のHatsuがイラストはじめたそうなのでぜひ見てみてください!』
恋人。
あやうくそのままブログにアップしそうになって、あわてて変えた。
『僕の友達のHatasuがイラストはじめたそうなのでぜひ見てみてください!
実はHatsuはリア友でもあるんです。
僕の数少ない大事な友達ですww
ここ最近は、学校に残って彼女と絵を描いてます。
初心者だというわりには、かなり上手いです。
先週はペンタブ買うためにバイトだって言ってました。初音さんと描くようになってから、一人で描くのが、なんだかさみしいです。やっぱり誰かと一緒に描く、って楽しいですね。
ではこれは今日僕が描いた絵です。
下のが僕の絵にHatsuが色を塗ってくれました。きれいです。
Hatsu、水彩色鉛筆36色セット持ってるんです。僕24色しか持ってないんで、すんごいうらやましいです。
ではまた明日らへんに投稿します』
……これで、よし。
これで、いいんだ。
『友達』で。
『恋人』だなんて、とんでもない。
これで、いいんだ。
このままで。
『ありがと! 90が紹介してくれたから、アクセス数普段の十倍だったよ!』
『がんばってね』
『うん!』
いつものチャットで、Hatsuに礼を言われた。
『クオ君が友達、って書いてくれたの、すごく嬉しかった!』
思わず顔が赤くなる。恋人、って冗談でも書いてしまった自分が恥ずかしい。
『Hatsuも初音さんも僕にとって大事な大事な親友だからね』
『えへwwありがと』
『絵もうまかったよ』
『90に言われるなんて光栄だなぁ』
『もう寝るから、また明日ね』
『お休み~。いい夢を』
『お休み』
タブを閉じる。
……友達。
Hatsuも友達って書いてくれて嬉しいって言ってた。
恋人じゃなく、友達と書いてくれたことが。
あれ?
僕がさっきチャットしてたのは、Hatsuか初音さんなのか……。
どっちなんだろう?
「では、文化祭の出し物を決めます」
クラス委員長が黒板の前で気だるそうに言った。
鏡音レン。身長は普通より小さめ。赤い眼鏡が良く似合う、可愛いと騒がれそうな奴だ。もっとも僕からしたら、男の娘としか見れないんだけど。コスプレさせたい。男に対してもこんなことを考えてしまう自分に呆れてしまう。僕、どれだけ二次元の事考えているんだろう。
あんまり鏡音の事は好きじゃない。ちゃらそうで、軽そうで、何を考えてるか分からなくて、無意味にへらへらして、女を弄んで、もしかしたらあの可愛さを武器に男にまで手を出しているのかもしれない。そう考えてしまう。
それに、初音さんとよく一緒に話しているのも気に食わない。初音さんは書記で、鏡音はクラス委員長だから仕方のない事なんだろうけど、それにしたって話し過ぎなんじゃないかな……。
「案がある人は出してください」
「はいはーい、俺メイド喫茶やりたいー」
初音さんが発言した後、すぐに鏡音が案を出す。さっきの気だるさなどどこかへ置いてきたのかというほど元気よく。あー、威勢のいい態度もあんまり好きじゃないなあ。僕がそうだから。自分とは違う人種を見つけると、憧れるか嫌ってしまうかどちらかなんだと思う。初音さんなら許せるんだけどなあ。鏡音だと妙にムカつく。
「えー、何それ」
「いいから書いて。お前書記だろ」
「せめて男装喫茶とかにしたらいいじゃん。喫茶店やりたいなら」
「じゃあ誰がメイド服を着るんだ!?」
教室が笑いに包まれる。
ああやって初音さんと鏡音が並んで話していると、どうもカップルだとしか思えなくて悔しい。なんてお似合いのカップルなんだ。リア充爆発しろ。初音さんだけ残して後は消え去れ。
「そんなにメイド服見たいなら自分で着ればいいじゃない」
「……じゃあそうする。男も女も全員メイド服で接待する喫茶店にする」
そんなに喫茶店がいいのか。お化け屋敷でも展示でも演劇でもいいじゃないか。
「んじゃ他になんかある人!」
誰も手を上げなかった。誰かなんか言えよ、鏡音みたいにへらへら笑ってないでさ。鏡音の言うとおりになるのは嫌だ。僕は何もしたくないから言わないし、初音さんのメイド服はものすごく見たいけど、でも、鏡音が希望する出し物だけはしたくない! たとえそれが僕の大好きな物であったとしても、こいつが希望するものはあんまりというか絶対やりたくない。
「決定~」
「衣装用意とか大変だねえ、レンよろしくね」
「ミクも手伝えよ」
「嫌~。レンが一人で夜なべして縫うがいいわ」
「あ、でも作るのには一人ひとりスリーサイズも聞かなきゃなあww」
初音さんは、鏡音を名前で呼ぶ。
鏡音は、初音さんを名前で呼ぶ。
だから僕は、鏡音の事は好きじゃない。
「おい初音」
休み時間、鏡音に話しかけられた。
あいつに名前を呼ばれたと思うだけで悍ましい気分になってくる。僕、もう死んだ方がいいんだろうか。
「何」
「文化祭当日の当番と、準備期間の役割決めるから希望ある?」
「え?」
「うーん……お前、ちょっと眼鏡外してみ?」
無理やり取ろうとする鏡音を、かろうじて止めた。なんだこの変態。僕が眼鏡を外したら何するつもりだ。
「外せって」
「なんで」
「いいから」
仕方なく外す。鏡音に外されるよりかはずっといい。
視界がぼやける。
つくづく思う。眼鏡を開発した人って、天才だ。
「よし、お前当日接客よろしく」
「それってメイド服?」
「そう」
「嫌だ」
「やれ。お前眼鏡外せば結構いけるから。いいんちょ命令。けってー」
「だが断る」
「やれよ~」
「くーお君っ」
鏡音を押しのけ、話しかけてくる初音さん。可愛い。
そんなに僕と話したかったのかな、なんて思ってしまう。もちろん、そんな事はないって、あり得ないって分かっているけど、でも、思ってしまう。
「クオ君、なんになった?」
「接待」
「違うから!」
「あ、眼鏡外してる」
言われて気付く。ああ、さっき眼鏡に感謝したばかりなのに、なんで忘れてたんだろう。きっと鏡音がアホなせいだ。そうに決まっている。そうじゃなくても鏡音のせいだ!
「外すとなんか雰囲気変わるね~。女装似合いそうっ」
「え……」
「俺は? 俺は?」
「あんたはどうでもいいの」
「初音さんはなんになったの?」
「接待と……なんだっけ」
「お前のは決めてない」
「えー、さっさと決めてよぉ」
「なんでもいいなら」
「何があるの?」
「内装と看板とチラシと……あ、初音ってさ、絵描いてるよな?」
「……だから何」
こいつと話しているとすごくイライラする。すごく。この上なく。イライライライラ。
「チラシ描いてほしい。誰もやる人いないし」
「僕に?」
「お前に」
「任せろ」
鏡音に描かせたらぐちゃぐちゃになる。そんなの見たくない。僕が描いた方がマシだ。そんな気持ちから、即答してしまった。
「おー、よろしく」
「私もクオ君の手伝いするっ」
「じゃあミクも、っと」
「それじゃよろしくー。早めに描いた方が印刷も早くできるから、できるだけ早めによろしく」
「分かった」
なんだかんだでこいつはしっかりしているから、女子たちに好かれるのかもしれないななんてぼんやり思った。顔よし器量よしとくれば、それだけで群がられるもんなあ。
「レンもメイド服縫うのがんばれー」
「俺作るの決定かよ……」
「がんばれー」
とりあえずホッとした。
初音さんと鏡音が同じ担当にならなかったこと。
あいつと初音さんが仲良く話すところをこれ以上見たら、鏡音の首を絞めるくらいやりかねない。
悔しいけど、鏡音と初音さんがお似合いなのは認めるし、絵になるなとも思う。
僕が鏡音だったら、とか思っちゃうのも悔しい。
胸の奥がうずく。
この前、初音さんが僕の絵を見て泣き、失恋の絵だと言ったのは、たぶん違う。
あれは片想いの絵だったんだ。
僕のあの絵。はっきりしない、曖昧な感情をうつしている絵。
好きになったのに。出会えて、好きになれて、嬉しいと思っているのに。それだけでもう十分だと思えるほどだというのに。
嫌われるんじゃないかという不安。振り向いてほしいという願い。相手も自分と同じくらい自分を好きになってほしいという、切願。まさに僕の心情を表しているような。そんな絵だったんだ。
初音さんは、僕の絵を見ても、本当の意味を悟る事ができなかった。
描いた本人の僕だって今気付いたくらいだから、初音さんが気付くのはずっと先の事だろう。いや、もうあの絵の事は忘れてしまっているのかもしれない。それならそれでいい。
あれは、僕の絵だから。
今の僕の絵だから。
気付かれなくていい。
【クオミク注意】ヒーローになる方法の後の妄想2
テキスト6000字以内とかできないよ!
てなわけで前のページで次のやつが出てきます。
今日からテスト勉強期間に入るけど、全然勉強してないですwwてかする気もないですw
鏡音を登場させてみました。リンさんに残念な役を引き受けてもらいました。ごめんねリンさん。
VOC@LANDの方は息抜きで書いてる感じなので、投稿遅めになります。
シリアスが書きたい…←
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