「気付いたらもうバレンタインじゃねえか!」
「まあ、そういうなよ、レン」
「いろいろあったのでしょうからね。あ、ちなみに僕はリリィさんからもらいましたよ」
本を読むキヨテル先生。その隣にはルカからもらったチョコを眺めるがくぽ。
「お前らはいいよな。貰えてよ」
「何言ってんだよ。お前だってちゃんと・・・え?まさかお前」
「そうだよ。もらってないんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
レンは力尽k
「待て!あきらめるのはまだ早い!」
「…ナスビ?」
「貰えないなら、渡せばいいんだ!!!!」
「なるほど。学年最下位だったがくぽくんにしてはよく考えましたね」
と、キヨテル先生は本から顔を上げて言った。
「なんなんだよ。ナスビ?」
「レン、知ってるか。世の中には逆チョコというものがあるんだぞ」
キメ顔がくぽ。
「俺たちがチョコを作るんだ!」

「とりあえず」
ルカのピンクのエプロンをがくぽ。あとで蹴飛ばされます。
「生チョコを作るぞ!」
「ナスビ先生ー」
自分の黄色のエプロンをつけたレンが手を上げた。
「なぜ生チョコなんですか?」
「いい質問だ」
がくぽは腕組みをした。
「愛しのルカが俺にくれたのが生チョコだから!」
「そんなこったろうと思ったよ」
でも、とレンは思う。今はこれにかけるしかないのだ。
「よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすっっっっっっっっっっっっっっ」


「まずはチョコを湯煎で溶かします」
キヨテル先生はレシピを読み上げる。
「決してお湯がチョコに入ってはいけません」
「はいっ」
「下のボール持つな」
レンは必死にチョコを混ぜて溶かす。
「この時に忘れてはいけないのは、相手を思う心を入れること。それを忘れると美味しさが無くなります」
「それどこに書いてあったんだよ。ていうか先生も手伝ってくれよ。そこでみてるんじゃなくて、さ」
「何を言ってるんですか。僕はこうしてレシピを読み上げているんじゃないですか。ありがたく思えよ。あ、失礼。ありがたく思ったらどうですか」
「すいませんでした」
「次!生クリームを入れる!」
「押忍!」


レンは手帳を開いた。
「今日のリンの予定は、っと」
がくぽとキヨテルは顔を合わせた。
「なあ、レン。リンの予定全部把握してんのか?」
がくぽが恐る恐る聞いた。
「え?当たり前じゃん。なに言ってんの?」
「そうなのか」
「え?がくぽさん把握してないのですか?」
「え、キヨテルも?俺がおかしいのか?」
その間にもレンは手帳を目で追う。
「リンは今日、レコーディングだから。たぶん、駅前!」
バッとコートを羽織りマフラーを巻く。
「行ってくる!」
「頑張れ、レン。お前の思いは伝わるさ」
「レン君はあれだけ頑張りました。あと一息です」
「二人ともありがとう!」
リンの元へレンは駆け出した!




リンは憂鬱な気分で歩いていた。
レンと仲直りしていないからだ。
「わたしがバカなんだよ。ミカンゼリーくらいいいじゃんかぁ…」
リンはマフラーに顔を埋めた。
「レン…」
ふとリンは足を止めた。そこは公園だった。
「ここ…」
そこは小さな頃、レンとよく遊んだ場所だった。リンは無意識に公園の中へと足を踏み入れた。
小さくなったブランコ、よく登ったジャングルジム。トンネルを作った砂場。
「懐かしいなあ」
ふふふ、とリンは笑った。こんな気持ちなのになぜ笑うことができるのか不思議だった。
「…こんなの見たら、ますますレンのこと、思い出しちゃうじゃんか」
リンは空を見上げた。そうしないと、じわじわと出てきた涙が流れてしまいそうだった。
「…レン」
"会いたいよ"
ぎゅっとリンは目を閉じた。



「リーーーーーン!!!!!!!」


「レン?」
リンは我が目を疑った。
レンが自分に向かって走ってきている。
「レン…」
リンは名前を呟いた。
「…レン…レン、レン。レン、レンレンレンレンレン、レーーーーン!!!!!」
気が付いたらリンはレンの元へ走り出していた。
そしてレンに思いっきり抱きついた。
レンはリンを強くけれど優しく抱きしめた。
「ごめん、ごめんごめんレン」
「リン、謝らないで。俺が悪いんだからさ。ごめんリン」
リンは泣きながら首を振った。
「ううん。レンは悪くないの。リンが悪いの」
「悪くなんかないよ。だから泣くなって」
レンはさらにリンを抱きしめた。
「もう泣くなよ。リンは笑ってる顔が一番可愛いんだからさ。笑ってくれよな?」
レンは手でリンの涙を拭った。
リンは少ししゃっくりをしながら、
「一回泣いたら止まらないの」
と言った。
「じゃあこうしたら止まるの?」
レンは尋ねると同時にリンの顔を両手でそっと包んだ。
そしてキョトンとしているリンの唇に自分の唇を重ねた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

バレンタインを待ちきれなくて僕たちがチョコを作っちゃった(≧∇≦)(前の続き

とうとう当日になりました。
今年は自由登校で学校行ってないので0個です。
が、イズミ草様にイラストをいただきました^_^

閲覧数:146

投稿日:2015/02/14 19:09:59

文字数:1,983文字

カテゴリ:小説

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  • すぅ

    すぅ

    ご意見・ご感想

    レン君良かったね!
    mikeさんちのリンレン仲いいですよね…あとレンくんが常識人。リンちゃんも可愛いです!!!

    あとレン君は仕事の予定程度でリンちゃん公認だけど先生はプライベートまで把握しててリリィさん非公認だと思うな…と思考が一瞬飛びました((

    2015/02/14 20:34:25

    • みけねこ。

      みけねこ。

      いつもメッセージありがとうございます^_^
      実はペリ子さんという人のリンレンの漫画読んでリンレンの組み合わせにハマりました^_^

      2015/02/15 09:18:40

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