最近、メイトの様子がおかしい。
挙動不審・・・とまでは言わないけれど、明らかに以前よりも態度が変だ。何だろう・・・予感がする。何の予感、とは言わないけれど、何かの予感を感じる。
「何かあったの、メイト?」
「なんでだ?」
「だってさ、ずっと僕のこと避けてるじゃないか」
「レンを? 避けてなんかない」
「避けてるよ」
「避けてないって」
ああもう!らちが明かない!
こうなると意地でも認めない。いいや、認めてるけど話さないだけなのかもしれない。
「じゃあ誰を避けてるのさ?」
「リン女ぉ・・・」
「リンだって!?」
「あ、いや違う!き、聞き違いだ!!」
どこをどう間違えば聞き違いになるものか。
確かにメイトは『リン』と名前を口にした。そして、その時のメイトの頬は朱色に染まるのも見えた。まさかとは思うけど・・・。
「メイト・・・リンを好きになった?」
「ばっ! んな訳あるか!!」
・・・この反応・・・昔、騎士育成学校に見学に来てた女の子に一目惚れした時の反応と同じだ・・・。まさか、メイトがリンを好きになるなんて思ってもみなかった。思ってもいない伏兵が、近くに潜んでた。
「僕は許さないから覚悟しといてよ」
「・・・え、ちょっレン!?」
ボソッと呟いて忠告すると、メイトから素早く離れて、さっさとリンの部屋へと向かう。釘を刺して、そのまま引き下がる相手ではないと知ってるからこそ、早めに手を打たないと。リンの兄として、余計な虫は叩いておかないとね。
「まあ、リンを笑わせる事が出来るんなら、認めてあげるさ」
廊下を歩きながら呟いた言葉なんて、きっとメイトには聞こえていない。
でも、リンを笑わせることが出来るなら・・・僕が邪魔をしたって、どんな事があったって、きっとリンとその相手は結ばれる。リンの笑顔をもう一度見たい。僕は、そのためなら何だってする。この手を血で染めてでも・・・。
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