!!!Attention!!!
この度、ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、コラボ(二人)で書くことになりました。
自分が書く「青犬編」とつんばるさんの書く「紅猫編」に分かれております。
原作者様には全く関係なく、そして勝手な解釈もいいところで、捏造だろうと思われる部分もあると思います。
そういった解釈が苦手な方はブラウザバック推奨。
なお、カイメイ要素を含みますので、その点にもご注意ください。
大丈夫だよ!寧ろバッチ来い!の方はスクロールで本編へどうぞ。
【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#12】
拝啓
このあいだ咲き始めたばかりだった夏の花たちが、一斉に咲き誇っています。気温もだんだんあがってきています。一説には、そろそろ台風が来るということでした。そちらも十分注意してください。
突然ですが、貴方は、昔、私とした約束を憶えていますか? 私がそちらを離れる前の日のことだったと思います。内容は憶えていても、憶えていなくても構いません。むしろ、子供の頃の約束なんて、忘れていることの方が多いのですから。
私は、今まで、貴方とした約束を支えに生きてきました。こうして文を送り続けているのも、その約束を忘れていないがためです。
ふたつした約束のうち、ひとつはもう破れてしまいましたが、私は、もうひとつも破ってしまうことになりそうです。ごめんなさい。いつも約束を破るのは私の方ですね。でも、咲音の家に生まれた者として、どうしても抗うことのできないことだったのです。
私はずっと貴方だけを想って、いつか貴方の隣にいる未来を信じていました。けれど、それがいかに淡いものだったか、今こうしてはじめてわかったような気がします。
先日、しばらくぶりにそちらの街まで行きました。おばあちゃんもお変わりなくて、とても安心しました。小さな双子のお友達もできました。そしてそれ以上に、貴方ががんばっていると聞いて、嬉しくもあり、そして少しだけ貴方が遠くなったような気がしました。
せっかくこうして、近くに行ったのに、顔を見せることができなくてごめんなさい。でも、きっと迷惑をかけてしまっただろうから、こうして会わない方がよかったのかしら。
でも、やっぱり、勝手かもしれないけれど、会いたかったです。
一目でいいから、大きくたくましく成長したかいとに会ってみたかった。
そして、できるなら、ずっとそのまま一緒に生きていきたかった。
望んでも叶わないことの方が多い身です。私は、きっとこれからこうしてこの身を呪いながら生きていくのでしょう。
約束ひとつ満足に果たせない私を、どうか許してください。
最後になりますが、くれぐれも身体には気をつけて。
この先も、貴方が幸せでありますように。
かしこ
しぐれの体をさすりながら、何度も読み返すその手紙。
気付いた時には、しぐれはすっかり寝息を立てていて、体が温まって安心したらしかった。洗ってやろうと思っていたが、今は少しでも体力を回復するのが先かもしれない。
すっかり乾いた毛は、泥が付着してところどころ汚い。それは、この小さな体一つでここまで必死で帰ってきてくれたということを痛いほど伝えてくれる。この小さな体にとって、どれほどそれは辛いことだっただろうか。
「俺に伝えようとしてくれたんだな・・・」
めいこから先に俺の元に届いていた手紙の内容は、しぐれは知らないに違いない。この手紙の内容も知らないはずだ。ただ、賢い犬であることは確かだから・・・おそらく、めいこがこの手紙を書いている時の様子で何かを感じ取ったのだろう。
眠っているしぐれを撫でてやっても、身じろぎすらしない。それだけ疲れているということだろうか。パリパリと固まった毛から乾いた土が落ちた。
腹の辺りを撫でると、わき腹の辺りに少し凹凸があるのがわかる。毛を少し掻き分けてみると、そこには傷があった。
「・・・痛かっただろうにな」
小さな傷ではあるが、この小さな体には随分沁みたことだろう。開くほどの大きな傷でないのが幸いだが、全速力で走ってきたのならば、堪えたに違いない。
めいこの本当の気持ちを伝えるためだけに、彼女は自分の身を犠牲にしてまで手紙を届けようとしたのだ。
そう思うと、俺の彼女を撫でる手は止まらない。
「俺の代わりに・・・走ってきてくれたんだな、しぐれ」
のんびりしている俺の代わりに、しぐれはここまで・・・こんな体になってまできてくれた。りんちゃんもれんくんもおばあちゃんも・・・そしてしぐれも、俺たちのために心を痛めて、何か少しでも力になろうとしてくれる。
諦めかけて、立ち直って、今度こそ駄目かと思って・・・そんな時にしぐれがこの手紙を持ってきてくれた。
俺は、まだまだ歩いていけそうだ。めいこが待っていてくれるなら、会いたいと願っていてくれるなら、俺は大丈夫。
いつの間にか、これが俺とめいこだけの問題ではなくなっていることにも気付けたから・・・だから、一刻も早くめいこのところへ行かなければ。
毎日働いても生きていくだけで精一杯で、とてもお金が溜まるような状態じゃないのはわかっているが、それでも行かなければならない。しぐれのように日を跨いで走ってでも。
「もう、ゆっくりお金貯めてる場合じゃないってことだな」
口に出してから、そのままうな垂れる。
だからと言って、彼女のところまで走っていくにしてもそれはどれだけ時間がかかるだろう。もしそれまでに彼女が結婚していたら、俺の行動は無駄になる。
そんな自分の弱気な考えを打ち消し、首を軽く横に振った。
「だから、こうやって悩んでる暇があったら少しでも走れって・・・」
深く息をつき、眠るしぐれをまた撫でる。
とりあえず、しぐれが起きたら体を洗ってやろう。全部それからの話だ。しぐれは俺のために傷つきながらも手紙を届けてくれたのだから、その恩返しをしなければ男が廃るというもの。
「本当にありがとな、しぐれ」
俺に忘れかけていた大事なことを気付かせてくれてありがとう。
静かな寝息を立てるしぐれを少し撫でた後、雨音に耳を傾ける。
俺を落ち込ませるはずの憂鬱な雨は、少し前向きになれば雨音を鳴らして俺を激励しているようにすら思えた。自分さえ気持ちを強くもっていれば、諦めることはなく、世界の色が褪せることもない。
ふっと笑みを浮かべて、布にくるんだしぐれをその場にそっと置いてやる。
とりあえず俺も一度頭を冷やそう。どうせなら今降り続けているこの雨で、自分を新しくしてしまえばいい。
しぐれを起こさないようにその場に寝かせてゆっくりと玄関へ向かい、足の汚れをとるためのボロ布を用意してから裸足で外へ出る。砂利が足の裏に突き刺さるような小さな痛みがあったが、顔をしかめるほどでもない。
「はー・・・」
もう大通りには人が通り始めているようで、妙な目で見られたが・・・今はそんなことは気にならなかった。考えるのは、これからどうやってめいこのところへ行くかということだけだ。
「どうするかな・・・」
俺は低く呟いて、風邪を引かない程度まで体を冷やした後、布で汚れた足を拭いて家の中へ入った。
【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#12】
しぐれを介抱するの巻。
手紙の内容はやっぱりつんばるさん作です。ごめん、楽しちゃって・・・!(笑
・・・特にここに書くことないとかいう・・・そういえばいつも物語が佳境に入るとここに書くことなくて余計なことばっかり書いてるなー・・・。
寧ろ書かない方が良いんじゃないかと思った。ぐだぐだですみません。
スーパー例のあの人タイム(笑)の紅猫編もよろしくお願いします!
というかめーちゃん可愛いよ、めーちゃん!
+++
「紅猫編」を書いているコラボ主犯
つんばるさんのページはこちら → http://piapro.jp/thmbal
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