自ら詩を解説するのはルール違反な気もしますが、解説なしでは絶対に伝わらないと思いましたので書かせて頂きました。

この詩は、「僕」と「私」の2人の視点で進行します。
基本的に連ごとで交互になっています。



目の前と感情がはじけて混ざり合って眩む匂い
ひっくり返る環状線 指輪をはめた彼女みたいだ
一分前の光景を脳裏に焼き付けて浸っていよう
やってなかった後悔はノートの端っこに書いておこう

この連は「僕」の視点です。
上の二行が分かりづらいかと思います。

目の前の感情がはじけて混ざり合って眩む匂い
(今胸にある感情が目の前にある景色とさえ混ざり合って目が眩むようだ。
最後の「匂い」は無意識にその感情を感じてしまうことを表しています。)

ひっくり返る環状線 指輪をはめた彼女みたいだ
(環状線には2つほど役割があり、まず、上りと下りがひっくり返る、また環状線のように同じ道を回ることから白夜と太陽を表すことが1つ。もう1つは「指輪をはめた彼女」を見ている場所が環状線、つまり電車の中であることをイメージさせる役割です。
ここの白夜が直接的にストーリーに絡むのは少しだけですが、非日常のイメージとして使っています。
「指輪をはめた彼女」は後のガラスの王冠の場面とのイメージを合致させるための表現です。着飾ったお姫様のようなイメージを作って頂けるようにしています。
最後の「みたい」ですが、これは比喩の「みたい」ではなく「どうやら◯◯みたいだ」という意味合いです。)

後の二行は割りと分かりやすいですね。

一分前の光景を脳裏に焼き付けて浸っていよう
(さっき見た光景を何度でも鮮明に思い出せるように脳裏に焼き付けて、その光景に浸っていようという意味です。)

やってなかった後悔はノートの端っこに書いておこう
(「やってなかった後悔」は話しかけることです。
それを忘れないようにノートに書いておこうという意味です。)



消えかけの電球はどっちの世界線に住んでるの?
忘れてるからってもっと記憶を辿る バカみたい
先進的な精神論 平行線もバグで曲がった
くっつかないだけで電子を捨てるような時は そう

この連は私(彼女)の視点なのですが、彼女の内面の描写のため解説なしでは絶対わかりませんね。精進します。

消えかけの電球はどっちの世界線に住んでるの?
(消えかけている電球は、正と負の世界のどちらの世界に住んでいるのだろう?という「私」の疑問です。)

忘れてるからってもっと記憶を辿る バカみたい
(忘れてしまったことも必死で思い出そうとしているなんてバカみたいだ。という彼女の思いです。)

先進的な精神論 平行線もバグで曲がった
(ここは割りと語感重視でしたので、意味は浅いです。
先進的に見えるが、そんな精神論では平行線すらバグで曲がってしまう。
ようは「私」の世間に対する不平ですね。「私」も内面は普通の人間で着飾られた太陽のような姿は外見だけだということを表しています。)

くっつかないだけで電子を捨てるようなときは そう
(分子のように持て余してしまうというだけで自分の一部を切り捨てなければいけない時は、つまり、内面と外見の自分はこんなにも違うのに周りに流されて本当の自分を切り捨てなければいけない時は、という意味です。)



グラスの揺らぎの心惑わすその真意を
探して見つけて届けてあげる
裸足の僕では辿り着けない道だったら
翼を付けてください これできっと最後だから

この連は「僕」の視点です。
また、この連はキーであるため、時間軸全てにまたがっています。従って、まだ「僕」がこの時点では気づいていない事も知ってしまっていますが、あまり時間軸は設定しないようにしましたのでスルーでお願いします。

グラスの揺らぎの心惑わすその真意を
(この文章はストーリー的にはグラスの揺らぎの心で切りますが、心惑わすその真意をとも読めるようにスペースを入れていません。
まずは、「グラスの揺らぎの心」ですが、ここは「まるでグラスに注がれた液体のように揺れるあなた(私)の心」という意味です。
よって、「彼女のグラスに注がれた液体の揺らぎのような心を惑わすその本質を」という意味になります。)

探して見つけて届けてあげる
(ここはそのままですね。「僕」が「私」に上記の本質を見つけて届けるという決意です。)

裸足の僕では辿り着けない道だったら
翼を付けてください これできっと最後だから
(ここは後の時間軸でのストーリーですので、後ほど解説します。)



ショート手前の回路 配線の中ノイズのったみたい
思い出して残照を 再現不可のAI作れ
合理的なポジションに居座るだけの無能 解雇して
さっき消した愛情も書き直してまたラックに

この連は「僕」の視点です。

ショート手前の回路 配線の中ノイズのったみたい
(ここは「僕」の思考が「私」によってショート寸前でまるで配線にノイズがのっているようだという意味です。そのままですね。)

思い出して残照を 再現不可のAI作れ
(ここの残照というのは厳密には違いますが、1番のAメロの白夜のことです。この連で「僕」はコンピューターに例えられていますから、それを思い出して、「再現不可のAI」=「私」を作れという意味です。もちろん、そんなことが出来るはずはありませんからバグから導き出された間違った答えです。この場面がタイトルの記憶の中の0と1にリンクしています。)

合理的なポジションに居座るだけの無能 解雇して
(ここは語感重視なので急に話が飛ぶうえ、内容も浅いので読み飛ばし可能です。
合理的なポジションに居座るだけの無能は神様です。どの宗教の、ということではなくそれくらい大きな存在ということになります。ざっくりした意味での神様です。
「僕」の世界の目に見えない流れ、力みたいなものに対する不満です。)

さっき消した愛情も書き直してまたラックに
(さっき消した愛情とは、「私」に渡すつもりで「僕」が書いた手紙です。「僕」は一度、消してしまった手紙を書き直し、結局は自分のラックに仕舞い込みます。「僕」に勇気が足りないという描写です。)



アタマの奥から突き抜くこの絶頂なら
誰でもきっと狂える だからもっと
ガラスの王冠なんて床に叩きつけて
さあ行きましょう 気付けの一口目を飲んだら

この連は「私」と「僕」二人の視点です。

アタマの奥から突き抜くこの絶頂なら
(アタマの奥から突き抜くこの絶頂とは恋の感情のことです。
メロディと雰囲気のために絶頂と表現していますが、感情の方が近い表現になります。)

誰でもきっと狂える だからもっと
(「恋の感情なら誰であろうと狂わせることが出来るように思える、だからもっと身を任せたい」という二人の思いです。)

ガラスの王冠なんて床に叩きつけて
(「私」が身につけていたガラスの王冠、純粋に王冠という意味もありますが、これは落とすだけで割れてしまう彼女の心とプライドも表しています。そんなものは壊してしまえばいいという「私」の決意です。)

さあ行きましょう 気付けの一口目を飲んだら
(ここはそのままですね。今いる場所を捨てて新たな場所に向かう決意です。)

二度目のサビは省略します。



去り際の瞳 揺れる
階段で涙拭いたよ あなたがいたから
「ありがとう またね」
それだけ言われたら もう分かるね?
あの日のこと

ここも2人の視点です。
ここから転調ですので、今までの内面と現実が8:2くらいの世界観から現実8~9割になります。解説が必要なのは最後の2行だと思います。

それだけ言われたら もう分かるね? あの日のこと
(ここの「あの日」とは、白夜の日のことです。白夜は実際には起こっていませんが、まるで白夜の様だったあの明るい夜の初めの日に対してお礼と現在の別れの描写です。)



誰かの光を借りてこの夜(よ)を照らせるなら
それだけでいい そう思うようになった
私の形の明かりが君を照らしている
たまには想ってください 笑顔にさせてあげます

ここは「私」の視点で、彼女の思いです。
今まで太陽だった「私」が月に変わったことを描写しています。



グラスの揺らぎの心惑わすその真意を
探して見つけて届けてあげる
裸足の僕では辿り着けない道だったら
翼を付けてください これできっと最後だから

「僕」の視点です。
上の二行の意味は上記と変わりません。

裸足の僕では辿り着けない道だったら
翼を付けてください これできっと最後だから
(「裸足の僕では辿りつけない道」ですが、1つ前の連の彼女は月に例えられていますからそれに被せて月のように辿り着けないくらい遠くに行ってしまっても、「私」の為なら翼でも得られる。これできっと最後、つまりそばにいること以外は望まないから一緒にいさせてほしいという「僕」の思いです。)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

記憶の中の0と1の解説

展開の早さなど、カバーしきれない部分はたくさんありますが、この解説である程度ストーリーがお分かりになるかと思います。
解説がいらない詩を書けるように精進致します。

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投稿日:2015/09/18 08:53:53

文字数:3,689文字

カテゴリ:歌詞

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