西日の匂い カーテンが翻った一瞬 内緒の話をしよう
次のチャイムが鳴るまでは 数秒もないけれど

校舎の裏 白いコンクリートに翼の設計図を描いて
誰にも真似できないような 脱走劇を始めようよ

お仕着せの自由で踊る小鳥の喧騒を背にして
遠くの静寂にそっと意識を預けて浅い夢を見てる

声はいつだって残酷な割には背中を押してはくれないで
誰にも伝わらない熱が 喉元まで渦巻いている

正しい言葉で縛られていたの
所詮 ガラスの籠に囚われた命なら
惜しくはないんだよ
窓を開け 飛び立つ

瞬間 浮遊を切り取って
白く視界を染め切った
蝋製の翼でも
空高くページの散った方向へ
神様に手が触れるまで
昇っていけるはずだ

いずれは朽ち果てることを恐れ
一歩目を躊躇っていたって
どうせ今も同じだろう
刹那を泳ぐ季節の隅で
笑っていられる明日を
抱き止められたなら

例え話 教科書の法則さえ 一瞬 内緒で逆らって
くすんだ写真ごと 記号も捨て去ってしまえば

声を塞いだ温度 吐息は微か 細い首筋に手をかけて
誰にも見つからない彼方 軌道が名前を描いている

量産型の希望を歌う ノートの片隅で
捉えられもしないような正解に縋り付く
その前に一つだけ言いたいことがあるの

瞬間 地球へ抗って
青く思考を連れ去った
仮初の翼でも
今すぐ一条の光に触れた
指先の熱を辿り
雲の向こう 最果てまで

いまだに身体を焦がす脈動を
その奥に秘めた未来を
何も知らないままでいる
刹那に揺らめく髪と瞳
色彩を抱いて浮かんでいく
時計の針がまた動き出す前に

西日の匂い カーテンが翻った一瞬 内緒の話をしよう
いつだって気紛れだろう 馬鹿みたいな今は永遠に続くはずで

海原を前にして勇者はきっと終焉を恐れて泣いただろう
暗がりを抜けたら悲しい顔はしたくない

瞬間 浮遊を切り取って
白い翼 風を切った
融け墜ちる定めでも
空高く手を伸ばしたその先
太陽に近付けた時
笑っていられるように

囚われたまま終わりたくはないよ
生まれ変わる前もきっと
二人 息をしていた
刹那の鼓動を分け合う窓辺
カーテンに顔を埋めて
片時の夢に沈む
チャイムが鳴る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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イカロス 歌詞

https://www.nicovideo.jp/watch/sm35990395 の歌詞です
わからないことあれば作者Twitterまで

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投稿日:2019/11/29 20:54:35

文字数:917文字

カテゴリ:歌詞

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