アルペジエーター

耳を塞いで目を背けていた
ノイズで溢れた世界にうんざりする
たった一つだけを消えないように
大事に抱えて凍えたままでいた

光の粒が舞い落ちる
ノイズの中の微かな希望
複雑な軌道を描きながら
次から次へと形を変えていく
凍てついた心が少しづつ動き出す

たった一つの頼りない音だけじゃ
綺麗なアルペジオは奏でられないさ
解き放つ音が重なり合いながら乱反射して
未だ見たことない色を放つ

強すぎる光に隠れ見失っても
その闇の向こうに確かに煌めく
こぼれ落ちる星を拾い集めながら
真っ暗な闇の中に飾りつける

伸ばした手をすり抜けて
引き返す間もない速度で消えていく

誰かのため息は風になって
流した涙は恵みの雨になる
明けない夜なんて無いように
この歌も誰かの光になる
全てつながり世界を形造る

たった一つの頼りない音だけじゃ
綺麗なアルペジオは奏でられないさ
溢れ出す音が幾重にも重なり乱反射して
未だ見たことない色を放つ

たった一つの頼りない音なんかじゃない
君だけのアルペジオは君が始めるのさ
解き放つ音がいつしか遠く遙か彼方へと
未だ見たことない先へ響く