「黄色の王女、死んじゃったんだ・・・」
「はっ、はい」
青の王子、カイトはは有能な家臣、メイコから黄色の王女リンが死んだ件について報告を受けていた。
「黄色って言えば、ミクちゃんの居る緑の国を滅ぼしちゃったよね」
「えぇ、まぁ・・・」
珍しく言葉を濁すメイコ。
しかし、そんなメイコの態度に気づかずにカイトは言った。
「ありがとね、めーちゃん。烏合の彼らを率いてくれて。ミクちゃんたちの代わりに復讐もやってくれてさ」
「・・・いえ、カイト様の命令は絶対です」
無表情のメイコ。憂いを含んだようにも見える。
「ちょっと僕は出かけてくるよ」
「じゃあ、私が一緒に・・」
「いいよ、一人がいい」
秘書のルカの申し出を断り、カイトは街はずれの小さな港へ向かった。
♯
人気のない、小さな港にはひそかな言い伝えがあった。
『願いを込めた羊皮紙を 小瓶に入れて 海に流せばいつの日か 思いは実るでしょう』
「ミクちゃんと両思いになれますように」
カイトはそう書かれた羊皮紙の入った小瓶を海に流した。
彼は知らない。ミクが黄色の召使によって殺された事を。
彼は知らない。死んだのは王女リンではなく、召使レンだということを。
彼は知らない。メイコが事の真相を全て知っているという事を。知っていながらレンを殺したという事を、知っていながらリンを逃がした事を。
そして、彼は歩き出す。何も知らないまま・・・・・。
しばらく後に、ボロを着た黄色の女の子が来たことは誰も知らない。
カイトがここに来たことも誰も知らないのだから。
♯
カイトは荒れ果てた緑の国を歩いていた。ミクを探していたのだった。
「ミクぅー?ミクちゃーん?」
今日は、彼女に求婚するつもりだった。黄色の問題も片づいたし、青の国で一緒に暮らそうと思っていた。
しかし、何度呼んでも返事は無い。人っ子一人居ない。
「んー・・・あれ?」
ミクの家の近くの井戸から腐廃臭がする。
カイトは好奇心から覗いてみた。
最初は、赤黒いものが見えた。次に白い、何か。肉片。そして・・・澄んだ緑髪。
「まさか!み、ミク!?」
あの印象的な緑髪―――。
じっくり見つめれば見つめるほど、ミクにしか見えない。
「ミ・・・・ク・・」
カイトはゆっくり気を失った。そして彼は二度と目覚める事はないだろう。
青の国では、メイコとルカがずっとカイトの帰りを待ち続けていた。
無知とは、時に残酷である。
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