何にもない場所で待ちぼうけてるあいだ
考えてた話 これから始めるよ、

 ――残念、手つかずのままの空と、
 あの青ざめた指先も、
 しんと静かに冷えていった音、遠く千切れた面影さえ、

 泡のひとつを抱いて離せない花は、明日にも息を閉ざすでしょう

 哀しまなくてもいいよ
 この世界は今さっき、ほんの五分前に始まったばかりの自鳴琴。

“涙と分かてない 滲んでく曇天が 初めの空の色”
それで片付くこと。

最初、きみはああ言ってたけれど。
「最後。」きみは簡単に言うでしょう?

最初、僕はそう言ってたけれど、
「最後。」そうも簡単にいくの。

過去のひとつを抱いて離せない僕は、今にも夢を閉ざしてく。
昼夜問わずそこにいると思ってた、
君の不在を確かめるだけの朝はもういらない。

“五分前に適当で始まった世界なら
 空っぽも仕方ないな、きみのこえ、僕自身も。”

 ひとつ叩いてみればわかるでしょう?
 ほら、やけに軽い音色で
 ずっと抱いてた泡沫の中は空。そしていま、割れてくよ。

君の不在を僕に告げたがる朝が、懲りずに扉叩くけど

“悲しまなくて、もういいよ
 この世界は今さっき、ほんの五分前に始まったばかりの自鳴琴。”

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【応募採用】 Last/L 【曲つきました!】

煎茶さまの素敵楽曲に応募、採用して頂きました。
楽曲 → http://piapro.jp/content/046ith2litri6vp6

※前のバージョンに解説、さらにその前に、読み(ひらがな記載)とメロディに合わせて字数を区切った漢字の歌詞を記載しております。

「虚無」と「会者定離」がテーマという、とても深い…けれども歌詞の形が判然としない、とても不思議な曲でした。
曲からイメージをくみ取るというよりも、曲を聴きながら頭の中で考え事をし、その考え事を形にしていくような作業でした。

結果として、これまでの応募用の曲先歌詞のどれともまた違った味になったのでは、と思っています。
素敵な機会を下さった煎茶様に感謝と尊敬の念を込めて。

【追記】
仮題「awesome」改め、タイトルは「Last/L」となりました。
最後の××であり、ラッセルを表す言葉でも。

閲覧数:746

投稿日:2009/12/29 04:07:19

文字数:519文字

カテゴリ:歌詞

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  • 七-瀬

    七-瀬

    ご意見・ご感想

    曲先の歌詞で、このような散文詩のような形で、これほど違和感のない歌詞を書ける、という事はすごい事だと思いました。内容も、捉え所のないようで、言葉に表せない部分で誰もが理解しているような、透明な空に浮かぶような不思議な印象を持ちます。

    完成した曲がどのようになるのか、待ち遠しいです。採用おめでとうございます。

    2009/12/09 01:43:52

    • 2430a

      2430a

      はじめまして、メッセージありがとうございます。

      もったいないお言葉の数々にただただ恐縮です;
      曲先歌詞はずっと苦手で、メロディやリズム、曲調を意識するほどにこんがらがってしまいがちなのですが、
      この歌詞に関してはどういうわけかいつもよりスムーズに出来あがったのを覚えています。
      内容は自分の中にはしっかりとしたイメージがあるものの、それがこのような形の歌詞でどこまで伝わるかはずっと不安でした。
      そのくせ100%を正確に伝えたい、ではなく、受け手によりとらえ方が違えば…などと考えていたのですが、
      七瀬様の「捉え所のないようで、言葉に表せない部分で誰もが理解しているような」とのコメント、本当に嬉しかったです。
      目指した矛盾がきちんと形になれていたのかもしれない、と、すこし思いあがってしまいました^^;

      最後に、重ね重ねになりますが、ご感想・そして採用をお祝い頂き本当にありがとうございました。
      私も曲の完成を楽しみに待つ一人ではありますが、作詞という形で微力でも作品に関わらせて頂いた側でもあります。
      とても素敵な楽曲ですので、完成の折にはぜひ拝聴いただければと思います。

      2009/12/09 17:37:37

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