ミクが帰国した翌日、野口の眠る墓に雅彦とミクが来ていた。二人で草むしりをし、ミクが花を添え、雅彦が墓石に水をかけ、線香を取り出して火をつけ、墓石に添える。そして二人は数珠を出して持ち、手を合わせた。
 「野口先輩。今日は、ミクと仲直りしたことを報告しに来ました」
 雅彦が話す。
 「今回の件では色々とありました。ミク以外のボーカロイドのみなさんはもちろん、ミクのライブのスタッフや、僕の研究室の学生まで動いてくれました。それで、何とかミクのワールドツアー中に仲直りができました」
解決までの経緯を話す雅彦。
 「仲直りする時に、私と雅彦さんとの間で、再び同じようなことで喧嘩しないために、約束を交わしました。雅彦さんは今までよりもっと私のわがままというか、要望を聞いてくれることになりました。私は、そういう要望を言う時には、雅彦さんとちゃんと相談することにしました」
 雅彦に替わってミクが話す。そうして、二人は再び手を合わせた。手を合わせ終えると、いきなり雅彦はミクを抱きしめた。
 「きゃっ」
 突然のことに驚くミク。
 「雅彦さん、どうしたんですか?」
 「いや、野口先輩に仲直りした所を見せないといけないと思って。それにはこれが一番かなって思って」
 「…それはあくまで口実で、本当は今までの埋め合わせのため、私を抱きしめたかっただけじゃないんですか?」
 口調は不満そうだが、まんざらでもない感じで話すミク。
 「まあ、それもあるね」
 微笑みながら話す雅彦。そして、野口の遺品の時計を見つめ、最後に再び墓を見る。
 「…それでは野口先輩、また来ます」
 雅彦がそういうと、二人は野口の眠る墓をあとにした。

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初音ミクとパラダイムシフト3 エピローグ1節

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投稿日:2017/03/06 22:54:58

文字数:710文字

カテゴリ:小説

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