・・・なんだろ、なーんか無性にいらいらする。
身体が重いというか、なんというか・・・。
理由としてはまあ、いろいろあるんだけどね。



例えば今日の朝。
今週末の大会(スウェーデンリレー大会)で300mの区分になっちゃったり。

例えばこの前の席替え。
教卓の目の前&がくぽの近くになったり。

例えば最近、がくぽと話をしなくなったり。



・・・ナチュラルにがくぽ多いけどそんなことないはず!
でも、他の悩みが思い浮かばないなあ。
リリィに相談・・・ううん、リリィに迷惑かけられないし。
どうしようかな・・・。




「ルカ・・・?どうした?髪の毛くしゃくしゃにして」
ナナメ後ろからがくぽの声がした。
がくぽはそのまま私の顔を覗き込んでくる。
「・・・なんでもないわよ、少し落ち込んでただけ」
今の私には、がくぽと暢気に雑談できるだけの容量がない。
当然、悩みの種がアンタだって言う勇気も。

「もう、元気出せよルカ」
突然、がくぽが頭を優しく叩いてきた。
私はむしゃくしゃしてて、その手を払いのける気力さえ湧かない。
「リリィのクラスに転校生が来たんだってさ。見に行かない?」
そして、明るい声でそう言った。
・・・それなら、いい気分転換になるかもしれない。
私はがくぽの意見に従い、リリィのクラスに行くことにした。



時期はずれの転校生だからか、リリィのクラスには人がわんさかいて、ひょっこり顔を出すのにも一苦労だった。
転校生は女の子のようで、綺麗な緑の髪を耳の少し上で二つに結っていた。
・・・転校生がこっちを見てリリィと何か話してる。
あの子と会ったことあったっけ私・・・。

「ルカ!」
突然誰かに呼ばれ、辺りをキョロキョロ見る。
右も左も声の主はいない。前を見たら、噂の転校生が立っていた・・・というより抱きついてきた。
「やっぱルカだよね!!小学校のとき一緒だったミクだよ!」
「・・・えぇ!?あのミクなの!?」
ミク・・・私のもう1人の幼馴染、初音ミク。
小学5年でどこかに引っ越して行ってしまったが、その前まではよくリリィと3人で遊んでいた。
確かに、どことなく面影はあるけど・・・。
「久しぶり・・・会えて嬉しいわ!」
「ウチもだよ!」
そして、私は久しぶりに会った友達を抱きしめ返した。


時は過ぎ、昼放課。
いつもお弁当はリリィと食べてるから、私はいつもの通りリリィのクラスに向かおうとした。
今日はミクも一緒かなあ、なんて考えてたら「ルカ」とがくぽが呼び止めた。
「・・・何?リリィのとこに行くんだけど」
「今日、一緒に食べない?屋上で待ってるからさ」
「い、嫌よ!なんであんたなんかと・・・」
私が答えを出す前に、がくぽは走ってどこかに行ってしまった。

リリィにこのことを告げ、私はしかたなく屋上に上がった。
・・・というか屋上って鍵が掛かってるはずなのだけど?
そんなことを考えながら屋上へ続く階段を登り、階段が途切れた所にあるドアに手を掛けた。
「ちょっと待てルカ!」
パタパタという音が聞こえ、息を切らしながらがくぽが走ってきた。
「はぁ、はぁ・・・まだ鍵、開いてないから」
そういうがくぽの手には、屋上の鍵と焼きそばパンが握られていた。



「なんで、いきなりご飯一緒に、なんて言うのよ。私とリリィが一緒に食べてんの知ってるでしょ」
私はそう問いかけてみたけど、返事がない。
というか、がくぽの調子がおかしい気がする。あのへらへらとした笑みも見れない。
いつもなら、私が嫌と言っても引っ付いてくるくせに。


「・・・もやもやするんだ」
がくぽが食べかけの焼きそばパンを見て呟く。
「あの転校生を見てから、なぜか無性に!!俺だって分かんないよ・・・」
・・・それは嫉妬ですか?
女の子相手に嫉妬とかありえませんねーどれだけ阿呆なんでしょうかこいつは・・・じゃなくて!!
・・・ああもう私までむしゃくしゃしてきたじゃない!!
しょうがないから私は地面に置いてある左手に自分の右手を添えた。

「あ、あのね、アンタが何を思ってるのか知んないけど、し、嫉妬するならお門違いじゃない?」
私が目線を動かしながらがくぽに伝えると、がくぽは少し息を吐き、にこやかに笑った。
「・・・そうか、ルカありがと。なんか安心した」
その後、いつものへらへらとした笑みを浮かべながら、
「そういえば嫉妬って・・・もしかしてルカちゃん、俺のことそんな風に思ってたの~?」
などと言いやがった。
「やだなーそんなことしないっ」
その口を閉ざすべく、私はがくぽのみぞおちに一発お見舞いしてあげた。



「そ、そういえば、なんで屋上の鍵を貸してもらえたのよ」
お昼ごはんを食べ終わり、片づけをしているときにふと思いついた疑問をがくぽにぶつけてみた。
「あれー?ルカ、知らないの?カップルは自由に入れるんだよー」
「えっちょ!?カカップルなんて、そんな嘘ついたの!?」
一気に体温が上がる。こんなとこがくぽに見られたら恥ずかしくて死ねる・・・。
「ルカ真っ赤だよ!そんなに俺と付き合いたいのー?」
「違うわよ!!」
「まあ、ホントは生徒会の職務乱用で借りたんだけど」
「そういえばあんた、生徒会もあったわね・・・っていや、それもダメじゃないの!!」
私はがくぽの言動1つ1つにビックリしながら答えてると、がくぽは突然フッと笑った。
いきなりすぎて気持ち悪いわよ・・・。
「良かった、ルカがいつもの顔になってる」
「えっ・・・」
って、ここで王道のラブコメ展開はいらないわよ!
と言いたかったけど、口が動かない。
「ルカ、気持ちは晴れた?」
「う、うん・・・一応、お礼は言っておくわ。ありがと」
「どういたしまして」
がくぽはにっこりと笑った。


「ぁあ!!もう5限目始まってるじゃない!」
時刻は既に2時過ぎ。今から行っても完全に間に合わない。
「いいじゃん。一時間くらいサボっちゃおうよ」
「生徒会役員が何言ってんのよ・・・」
「いーんだよ!!今日は特別だ!!」
そういってがくぽは寝転んでしまったので、私も少し距離を離して座った。
空を見ると、雲ひとつない青空が広がっていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

転校生ともやもや【学園ぽルカ】

なんかむかむか?してる?すぅです!
いや、この話書き始めたの金曜日なんですがね、以上にむかむかもやもやしてまして朝から。
いらいらするなあ→原因はなんだろう→これでぽルカ書けんじゃん!!、という思考((
だからか知らんがツンデレ全開のルカちゃんの癖にどうしてこうなった感が・・・。
あ、スウェーデンリレーというのは、四人の走者が100m、200m、300m、400mという順で走るリレーのことです!私は体力そんなないくせに300でした・・・。
ルカさんとがくぽくんは、その後キヨテル先生に怒られたみたいですよ?(5限目は数学だったらしいです。
やっと初音さん出せたよ!!!
ではではー。

閲覧数:276

投稿日:2014/02/09 21:36:42

文字数:2,554文字

カテゴリ:小説

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