ほぉらほぉら　手のなる音よ
ほぉらほぉら　カラスも鳴いた
ゆぅらゆぅら　聞こえるでしょう
ゆぅらゆぅら　揺れてる振り子

突然　夕立　小さな小屋に
アノコと　ワタシが　雨宿り
偶然　見かけた　小さな箱が
アノコと　ワタシに　“開けて”と言う

ばぁちゃんに聞いた
「開けちゃいけない箱がある」
(じぃちゃんに聞いた
「見てはいけない箱がある」)
絵本に描いてた　箱の中には
金銀財宝　ギィラギラ
大判小判が　ザックザク
「開けてみようか」「誰も見てない」
『二人の秘密』

ほぉらほぉら　小雨が降るよ
ほぉらほぉら　カエルが鳴いた
ゆぅらゆぅら　聞こえたでしょう
ゆぅらゆぅら　夕闇の声

突然　衝撃　小さな悲鳴
アノコと　ワタシが　居たはずよ
開いて　しまった　小さな箱に
アノコが　ワタシを　押し込んだの

ばぁちゃんに聞いた
「閉じたら開かない箱がある」
(じぃちゃんに聞いた
「帰ってこない子供がいる」)
絵本に描いてた　箱の中には
カラカラ枯れてる　髑髏(しゃれこうべ)
一人二人と　三人と
「閉めてみようか」「誰も見てない」
『一人の秘密』

ほぉらほぉら　ワタシは孤り(ひとり)
ほぉらほぉら　アノコが哭いた
ゆぅらゆぅら　聞こえないのよ
ゆぅらゆぅら　あゝ　憾み唄

お腹が　空いたよ　小さな箱で
ダレカが　ワタシを　見つけねば
このまま　知られず　小さな骸(むくろ)
アノコを　ノロって　しまおうかな

ほぉらほぉら　意識が遠く
ほぉらほぉら　憶う(おもう)はアノコ
ゆぅらゆぅら　次はアノコを
ゆぅらゆぅら　閉じ込めようか