二人はそのままガンガン釣り上げた

・・・数時間後・・・

日が少し傾き始めている

ミク「まだまだ釣れますよ!」

マスター「ほんとだなあこりゃすげえ!」

今の釣った引数はアジが20匹、イサギが17匹

マスター「でもエサも後一回分だな~」

ミク「ええええ!もう終わりですか?」

ミクは驚く・・・楽しい時間ももう終わりと言う悲しさもあった・・・

マスター「ほらよ!最後の一回だ!」

ミク「え!いいんですか!」

マスター「いいよいいよー!楽しめ!」

ミク「はい!」

すぐに手前に仕掛けを落とす
すぐに反応があったしかし・・・

ギュウイイイ

少しリールから音が鳴りアジやイサギとは違う

ミク「えちょ!重いいいい」

マスター「おお~少しでかいな頑張れ頑張れ!」

マスターはニヤニヤしながらミクを見ている

ミク「ちょっと手伝って!重いですううう・・・」

マスターは何もしないにっこりと笑う

ミク「後で覚えていてくださいね!このおおおおお!」

とミクは3分ぐらい格闘して一匹の魚を釣り上げた

ミク「え?何この魚?」

とミクが釣り上げたのは角が生えている魚
そして小さな口、鋭い歯も持っている

マスター「おおお!カワハギか~これ造りにするとうまいぞ~よくやったな!」

ミク「ほんとですか?やったあ!」

二人は今日の成果に喜んでいる

・・・数30分後・・・
もう日が見えなくなりつつある
エサがなくなったので二人は片づけを行っている

ミク「これでいいですか?マスター!」

マスター「おお!いいぞ~」

しっかりミクは片づけを手伝い帰る準備を完了したと思っていた時

しかし!!!!海に一つの変化があった!!!

ミク「ねえ?マスター?海がなんか騒がしくない?」

ミクはそんなことを言い出す

マスター「ん?どんな感じにだ?」

ミク「ほらあそこ?カモメ数匹ががすごい勢いで海面に向かっているような?」

とミクは指をさす

マスター「・・・」

マスターは目を凝らす

マスター「・・・まさか!!!」

マスター「ミク!今すぐ道具を置け!!!これは来るぞ!」

ミク「え?来るって何が?」

ミクはマスターの急な反応にわけがわからない状態だ

マスターはすぐにジャーと道具を広げる

ミク「エサはなくなったんじゃ?」

マスター「いいや残っている・・・でもまじか?まじで情報通りに来るのか?」

マスターは独り言を言うくらいにかなり興奮していた・・・

そしてその会話をしている途中にも海鳥達は海面に攻撃を仕掛けている
そして水しぶきがすごい勢いで上がっているのが見えた

バシャバシャバシャ!!!

水の音と海鳥の鳴き声がすごい聞こえている・・・

ミク「え?え?え?何あれ?何なの?」

ミクは目の前の異様な光景に驚きを隠せない様子だ

マスターは仕掛けをすごいスピードで付け替える
魚のルアーを準備し針に店で買ったカツオのハラモをつける
そしてキャスティングポーズに構える

マスター「ミクあの現象はな『なぶら』という物だ」

『ここでなぶらとは』

海鳥が何羽もが小魚を狙い
海面が泡立つように小魚が逃げ回ったり、
青物が餌を狙って水面を割る場面で
餌となる小魚を追い掛けて水面まで追い詰める現象のこと
釣り人にとってはぜひ一度は会ってみたい現象で
別名『海の奇跡』とも言われる


ミク「そう・・・なんですね?」

マスター「まあ大物が釣れると思えばいい」

ミク「大物!!!」

ミクが簡単に意味を理解すると目を輝かせていた

マスター「まあ堤防釣りだと激レアだから正直来ないと思っていたんだがな・・・」

マスター「まあ今回は確かに条件が違った、だから『俺たちはかなり運がよかった』」

それを聞くとミクは・・・

ミク「・・・ゴクリ」

とミクは唾を飲み込む

マスター「お前に本当にいい物を見せてやるそして感じさせてやる
     だから今日のこと忘れるなよ!」

ミク「はい!」

マスターはここで大きく深呼吸をする

マスター「・・・チャンスは一回!ポイントはあそこ、あそこなら来る!!!!」

マスターはそしてキャスティングを開始した!

シュルルルルルルッ、ポチャン!

竿から糸の気持ちの良い音を出しながら餌のハラモが海面に落ちた

マスター「ミクほらよ!」

ミク「え?はい!」

マスターから竿を渡される

そして・・・未だになぶらはすごい勢いで音を立てている

マスター「これは来る!!!!!!構えろ!!!!」

マスターの声とともに
そのままなぶらが仕掛けに近づいたとき

竿に変化があった

クイクイッと一瞬変化がかかったと思った瞬間・・・

ギュイッギュイッギュウイイイイイイイイイイイイ!!!!!

とすごい音とすごい力が竿にかかる
そしてミクは訳が分からなかったので
海に体が傾こうとした・・・

ミク「え・・・?」

マスター「ミク!!!!」

すぐにマスターはミクの後ろに回る
そして後ろからミクを抱くさらにミクの手と体を押さえている

ミク「え?・・・・え!」

ミクは後ろを少し見る

ミク「・・・(マスターの顔が近い息がかかるほどに)」

鼓動が早くなるドクンドクン

マスター「ク!ミ・・・・ク!」

ミク「・・・(顔も熱くなる)」

ドクンドクンドクンドクン

マスター「ミク!ミク!」

ミク「ひゃい!」

マスター「大丈夫か?落ち着け!驚く気持ちもわかるがお前よく足元見ろ!」

ミク「驚いてなんか!・・・て足元?」

ミク「え・・・?」

ミクは下を見たら海だった
あと一歩前に出ていたら海に落ちていただろう・・・

ミク「・・・ますたあ・・・ますたあ!」

ミクは少し泣き声になりながらマスターを呼んでいる

マスター「よしまずは少しこのまま下がるぞ・・・?」

ミク「はい・・・」

二人はそのまま下がる

このやり取りの間もリールは・・・

ギュウウウイイイイイイイ!!!!

と音を立てている

マスター「まさかなあ~これはマジででかいぞ~」

ミク「う、うん」

ミクは落ち着きを取り戻しマスターの声を聞いている

マスター「よし右に行こうか」

ミク「はい!」

マスター「次竿を右に」

マスターは次々ミクに指示をしていく

・・・30分後・・・

日は完全に沈み満月が出かけている

マスター「よしだいぶ落ち着いてきたな」

ミク「そうなんですか?」

マスター「音が落ち着いただろ?」

ミク「あ・・・本当だ」

リールは先ほどとは違い

ギュイギュイ!!

少し音がなっている

マスター「よし!巻き上げろ少しづつな~」

ミク「はい!」

二人はそのまま巻き上げていく
しばらくすると大きな魚影が見えた

ミク「え!なにあれめちゃ大きい!!!!」

ミクは興奮する

マスター「よし後は行けるな?網を持ってくる!」

ミク「はい!」

マスターは走って網を持ってくる 

マスター「よし!そのまま~いいぞ!」

ミク「えい!」

バシャン!!!と音を立てる

そして・・・網に大きな魚が入りやっと上げることができた
魚は堤防に上がるとピチピチと跳ねている
すぐにマスターはそのまま魚を締めて血が回らないようにする

マスター「おおお!これワラサかあ!そりゃあんなに引くわなあ!」

ミク「ワラサ!ワラサ!・・・てなんです?」

マスター「まあブリとハマチみたいなものだなあ~!」

ミク「あ!お店でお造りになっていたもの!」

マスター「そうだな~!それそれ!」

マスター「・・・ふう~・・・落ち着いた!」

ミク「私もです~!このお魚さんすごかったです!!!」

マスター「まあ確かに・・・すごかったなあ~」

ミク「それに海も落ち着きましたね・・・」

マスター「そうだな・・・」

二人は海を見ると先ほどとは違いいつもの静けさを保っていた

マスター「まあなぶらは一瞬だからなチャンスを逃したら終わる」

ミク「へえ~!そうなんですね!」

二人はそんな楽しい会話をしながら再度片づけを済ませる

・・・数分後・・・

辺りは暗くなり満月が出ていたそのせいか明るい

ミク「ねえねえ!今日は楽しかったです!!!」

マスター「そうかそうか~!それはよかった!」

ミク「うんうん!カワハギさんもアジさんもイサギさんもそしてワラサさんも
   みんなみ~んなよかったです!!!」

マスター「ははは!そうかそうか!」

マスター「・・・なあミク?」

ミク「・・・なんですか?」

ここでマスターは話を変える

マスター「俺なんでミクを選んだと思う?」

ミク「え?わかんないです・・・」

マスター「何もできなくてもいいと思うぞ?こんな風に笑ってさ
     釣りしてさ~何にもない毎日笑う毎日それでいいと思う
     無茶しなくてもいいこんなに楽しいと思えることたくさんあるんだからさ」
     だから!もっと自分を大切にしろ!わかったな?」

ミク「・・・そう・・・ですね!私マスターとの毎日を大切にします!」

ミクは今日のことを思い返しながら言う

ミク「私何もできないですけどこうやってマスターと笑って
   楽しんで明るい毎日が送れればそれでいいです!」

マスター「そうか~」

ミク「はい!だから・・・これからもどうぞよろしくね!マスター!!!」

と二人は満月に照らされながら夜空の下を笑いながら歩き続けた

END

☆あとがき☆
ここまで読んでいただきありがとうございます!!!!
今回は釣りが好きなマスターとミクちゃんのお話!
今回は何もできないミクちゃんが一つのマスターの日常を
経験するという物になっています!
皆さんは釣り経験ありますか?
ちなみに今回出てきた『なぶら』は実際にありますよ!
私は見たことはあります~!!(まあこの店員私なんですけどw)
それは置いておいて・・・
ミクちゃんよかったですね!ぜひ釣りなりしてマスターと仲良くしていってほしいです~!!いいマスターでよかった~!
今回はここまでですね~!ではでは!

あ、そうそうこれまでの舞台のショッピングモールですが
全部全部時系列も考えてあるんですよ!
そういうのも少しですが見ていただけると私喜んじゃいます!
以上です!!!ノシノシ!

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

一つの日常《後編》

こちらはhttps://piapro.jp/t/F3uIの続きです!
先にこちらをどうぞ!
後編も頑張っていますよ!!!
どうぞご覧ください!

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投稿日:2020/03/26 19:12:51

文字数:4,286文字

カテゴリ:歌詞

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