風吹くビルの間を一人、口ずさむ歌も消されて。
「嗚呼、僕には歌うことすらも許されないんだ」
なんて、自嘲う

そういえばあの時君は、何て言ってたっけ
ま、どうでもいいか
悲しいのかどうかもわからずに
歌声を風に流してる

凍えてしまう、その前にどうか。
僕を見つけて、声を聞かせて
僕の歌なんて消えちゃってもいいからさ

「雪が降りそうだね」なんて呟いた
空のない都会の隅で
両手は冷たくなったままで、暖めあう資格もない。
飲み干した缶コーヒー投げ捨てた、【誰か】に気付いてほしくて
その【誰か】もわからないままで
優しさだけ求めてたんだ

響かないさ
この夜の底に僕は呑まれてしまっていたんだ
「それは嫌だ」って言えないままなのに
だけど、だから。
歌うんだ、何度でも
いつか届くように
何度でも

風吹くビルの間を一人
口ずさむ歌は続いた
僕には歌うことだけが、許されているんだ

それでいっか

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冬空のひとりごと

寒くなってきましたね

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投稿日:2019/11/10 22:02:18

文字数:399文字

カテゴリ:歌詞

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