言霊の震える程に
はらはらと溢れる涙
梅枝の残んの雪も
春告の鳥が鳴き散らし
手のひらを濡らす思い出
霞の籠める空を舞う風
儚く匂う花の香りが
叶わぬ想い包むだけ
仄暗い朝切ない夕に
凛と小さく咲いていた
玉響も留めぬ儘に
白白と明けゆく夜よ
泡沫の幼い恋と
知りつつも今は泣き尽くし
手のひらに揺らぐ面影
霞の籠める空に照る月
儚く匂う花の色へと
叶わぬ想い溶かすだけ
仄仄浮かぶ楼閣を背に
淡く眩く咲いていた
儚く匂う花の栄えは
凍てつく冬を越えた為
木の葉も未だ眠る其の間に
そこはかとなく咲き誇る
儚く匂う春の麗に
叶わぬ想い詠い出す
此の花やがて零れる様に
そっと紡いだ恋の詩
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