「ううぅ、く、苦しいよぉ…助けてよぉ…げほっ、げほっ」
私はうっすらとした暗がりで、一人小さく呻くのであった。





鏡音リン将軍、ばんざい!鏡音リン将軍、ご即位おめでとうございます!!
そんな声が響き渡っていた。前幕府の力は衰え、世は新しいリーダーを望んだ。そこに私という存在が選ばれたのであった。私のような女将軍は類を見ない。私がはじめて。私が一番えらいのだ。
もともと私は将軍家鏡音の生まれで、しかし男に恵まれなかった鏡音家は、政治で相当の支配力を持ちながらも将軍への即位はかなわないでいた。しかしそれを私が覆した。
特に女性層や権力の弱い農民たちに強く支持を受けた。なにせ初の女将軍だ。いままでの男たちの強引な政治でなく、女性の視点からという新しいものが、そういった民たちからの期待をさせる理由なのかもしれない。


家来として、男であったが将軍に即位できなかった鏡音氏の男子・レンがとりあえずの側近となった。
当のレン本人は相当の異議があるようだが、しかたない。私のほうが権力が上なのだから!!
私は、調子に乗っていたのかもしれない。そう気づくにはずいぶんと時間がかかった。







「おい、リン。今の情勢をなんとかするために何か対策を打ち出さないのか。これでは誰が将軍をやったっておなじだろう」
レンはあえて皮肉なことを言う。そんなみなまで言わなくても、と突っ込みたくなるほどだ。私は軽くあしらう。
「あら、そんなに急がなくてもいいじゃない。それともなにか、行動おこさなければ同じなのだから俺にやらせろと。ふん、ばかにするんじゃないわよ、低脳」
私は冗談めかして言ったのに、彼は頭に青筋を浮かべて怒っている。どうも、えらいところにいると自然と言動も大きくなってしまうようだ。
「いい気になっているなよ、低脳!俺が絶対に落ち度を見つけて座を引きずりおろしてやるからな!」
レンはどすどすと足音を大きくしながら部屋から出て行った。
改めて、あいつにはこの役が務まらない理由が確認できた。
しかし、なにか対策のひとつやふたつ打ち出してみるのもおもしろい。この際だ、昔の法令でも打ち出してみるか。


「生類憐れみの…令。ふふ、ふふふ!こいつに決めた!おい誰か!こっちへ来なさい!!」
動物の好きな私にとって、この法令はとても都合がよかった。レンも場合によっては殺せる。かわいらしい動物たちも推奨される。
なんて素敵なこと考えるんだろ、綱吉って…!レンの苦しむ姿が目に浮かぶわ!!
笑いが止まらなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

生類憐みの令1(グロ注意)

ごめんなさい、前のシリーズも終わってないのに。

閲覧数:288

投稿日:2010/12/14 20:33:01

文字数:1,059文字

カテゴリ:小説

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  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    おお~ぉ!!久しぶりのうpですな!^^
    前シリーズも、今回のシリーズもマイペースにがんばれーぃっ
    グロ全然おkっす(^□^)

    2010/12/16 18:39:44

    • 初音ミミック

      初音ミミック

      コメントありがと!
      もう私立入試だから…
      ペース遅いけどよろしくね^^

      2010/12/17 18:47:14

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