最近の投稿作品 (72)
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生類憐みの令5(グロ注意)
「ただいま戻りました」
家来がようやく帰ってきた。なにをしていたのだと、レンは思っていた。
ただ物を渡して帰ってくるだけなのだ、昼までには帰ってくるかと踏んでいたレン。予想に反して、もう日が暮れる寸前だ。ましてやもう夏になる前だ。いちばん日が暮れるのが遅いといってもいいくらいの季節であった。
「どこで道草を食っていたんだ、まったく」
「はっ、大変申し訳ありません。なにせ将軍殿が礼の品をと…」
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生類憐みの令4(グロ注意)
「で、お前は何考えてたんだよ。罪のない動物を蹴り殺すなんて、理由があったって絶対許されないからなぁ」
綱で縛られ、床にうつぶせになったまま動かない痩せ型の男に、わざわざ顔を近づけて見せて言う。男はへっ、と笑いながら顔をこちらに向けてくる。
「…うちの嫁が丹精込めて作った米を、あのクソたぬきははじから食っていきやがったんだ。この前ようやく見つけて、蹴り殺してやった。だいたい、お前らだって作られた米がなくなったら、回りまわって打撃食らうんだろう?だったらいいじゃねぇか」
男は御託をならべる。だが、どんな言い訳をしようと殺したことに違いはない。ならすべきことはなんだ?決まっている。
こいつを殺すだけだよ。
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生類憐みの令3(グロ注意)
「くそっ、リンのやろう…ほんとに実行しやがったな…」
レンは歯噛みしていた。家来になだめられながらも、眉間にしわがよったままだ。
…だからあんな女にやらせちゃだめだったんだ。あいつは人の命を軽視しすぎるんだ…
レンは小包を棚の奥から取り出した。それを家来に手渡し、言葉を添えた。
「もし生類憐みの令を取り消すよう持ちかけて、だめだったらこいつを食わすんだ。中にはヒ素という外国からの伝来の毒が含まれている。これを食わせて、あいつの野望をとめてほしい」
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生類憐みの令2(グロ注意)
こんこんと誰かが部屋をノックする。このノックを待ちわびていた。
「いいわ、入って。法令に関する報告でしょう」
「はい。お察しのとおりです。公布をする前にレン殿がこの法令をないことにしようとなさっています」
「と、いうと?」
家来の口から出てきた言葉に、疑問をおぼえる。私は家来の言葉を待った。
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生類憐みの令1(グロ注意)
「ううぅ、く、苦しいよぉ…助けてよぉ…げほっ、げほっ」
私はうっすらとした暗がりで、一人小さく呻くのであった。
鏡音リン将軍、ばんざい!鏡音リン将軍、ご即位おめでとうございます!!
そんな声が響き渡っていた。前幕府の力は衰え、世は新しいリーダーを望んだ。そこに私という存在が選ばれたのであった。私のような女将軍は類を見ない。私がはじめて。私が一番えらいのだ。
もともと私は将軍家鏡音の生まれで、しかし男に恵まれなかった鏡音家は、政治で相当の支配力を持ちながらも将軍への即位はかなわないでいた。しかしそれを私が覆した。
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ツンデレはどこまで貫ける!?②
「ええっ、僕が車にひかれたふりをするの?」
ミクオはネルから教えられた計画内容について確認した。ネルはこくこくと首を縦に振る。
「そうだ!ハクに車でひくふりをさせる。そしたらミクオは倒れて気絶寸前の状態になったようにして。そのまま学校の救護所に連れていくって設定だ。で、ミクオをいみきらった振りしてるレンがどんな反応してくるか検証する!!」
ー…それってもし事故ったら信用してもらえなくなるじゃん…
とミクオは心の中で思うものの、口には出さない。しかし、計画の不透明さったらない。誰が車を運転するのか、救護所に誰がスタンバイしているのか、大体、検証後のミクオとレンの関係についての配慮。なにもかも全然わからない。
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ツンデレはどこまで貫ける!?①
「俺はおまえのためにジュース買ってきたわけじゃねぇんだよ。ただ、なんとなくもう一本買ってきちまっただけで…」
毎度おなじみツンデレン君は、ミクオにジュースを渡しつつそう言った。彼ら二人がいる鏡音家の家で、ミクオはそれでもうれしそうにジュースを受け取る。
「ありがとう、レン」
ニコリとミクオは笑顔を見せると、レンは対して不愉快そうに振る舞いながらそっぽを向く。別に同棲してる訳でもないのに、ここまで挑発的な態度とられると、ないはずの感情が生まれてきてしまうのも無理ない。ミクオはほのかに、レンに愛情を持っていた。性的ではない、のか…?いや、今は性的と言ってもいいような感じだ。
レンはそっぽを向くとジュースを持ちながら、無言で外へと出ていった。
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うろたんだーafter<微エロ注意かな?>
「なぁ、そういえばどこまでが許されるんだ?」
「なによいきなり。レンがいなくなって気でもどうかした?」
「ノンノン。メイコは相変わらず口がお悪ぅございますな。いやその、エロだ」
「エロ?なんでいきなり」
「ほかのすばらしい方々の作品を拝んできたんだが……いや、利用規約にひっかかんないのかなぁ~って感じのテキストを見つけちゃってさ」
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うろたんだー選挙!・完結
「前回の投票結果見たかしら?まぁ私は落ちるわけないとは思ってたわ」
「たりめーだメイコ!お前は落としても面白味がないからな!」
「なによそれ!?いてもいなくても一緒ってこと!?」
「んで、結局誰が落ちたんだよ?」
「レン。私たちは落ちるわけないから心配しないでね」
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初音ミクコント・何回目だっけ?
「ねぇリン。菓子パンって食べ続けるとどうなるん?」
「え、ああ、うん……(こいつ、プリ●ュアみててCMに影響されたな…)」
「ん?どーなるん?」
「(夢は壊しちゃいけないし…どうする…!そうだ)」
「どーなるの?」
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うろたんだー選挙!(2
「まあ簡単に言えば今一番いらないメンバーの入れ替えだ。だいじょうぶ。自分に自信があればこんなこと屁のかっぱなはずだろう、一人しか抜けないんだから」
「「私(俺)たちは例外じゃない!?」」
「そういうな、リンレンミラーサウンド姉弟。だいたいミクがいるから安心だろう」
「うるせぇよお先真っ暗体真っ青おやじ」
「とりあえずアンタは選挙がしたいんでしょ。その理由はなんだっての?」
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久々★うろたんだー選挙!?(1
「うろたんだー選挙?What?」
うろたんだーのカイトをのぞいたメンバーが一斉に聞き返す。
「ああそうだ。すっかり忘れられてた俺達だから、この際不要人員を誰かと入れ替えようと思ってな。あの民●党やらA●B48やら、選挙だかなんだかやってるみたいだし」
カイトがそう言うと、他のメンバーは当然反発してきた。
「はぁ!?勝手なこと抜かすな!アンタはリーダーだから抜けなくて済むって、そういう魂胆でしょう!!?」
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ひと夏の猛暑の物語final
リンに連れてこられたのは、近くの大型電気店だった。なんでもこの地区での最大だそうで、外見だけでもすごい品ぞろえなんだろうと想像させられる。
「どういうつもりだ、リン」
「ここに私の売春の鍵があるから、行こ」
俺の手を引き、店へと入っていく彼女。今までと違う見方になってしまったのか、異様に清楚さというか、おとなしさを感じるような気がした。
………いつもこうしていれば、本当に姉のようなのに……
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吉原の初音様。
「今宵の月は実にキレイじゃ……赤と青の月とは、真に不可思議じゃのう」
屋敷の庭で、初音がつぶやく。屋敷に仕える鏡音家の娘・鈴がそれについて疑問を投げかける。
「初音様、その奇妙な物はなんでございましょう?」
「ああ、これかの。実は庭の盆栽に引っかかっておってな。不思議なもので、顔にちょうどよくはまったのじゃ。これを通して月を見ると、実に興味深い色になるのじゃ」
そう言って、眼から物をはずす初音。
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ひと夏の猛暑の物語5
「ただいまぁ~、ふぅ、疲れた」
リンが帰ってきた。俺の心の中の葛藤も知らずにのこのこと。俺はわざわざ分かりやすいようにテーブルのど真ん中にいかがわしい内容の記録されたディスクを置いた。
「……おかえり。どこ行ってたんだよ、何もいわずに出ていってさ」
俺はソファに仰向ける姿勢を崩さぬまま、彼女に問いかける。リンはいつものトーンで話しながら俺に寄ってくる。
「いいのいいの。私だけの秘密ってことで………え、あっ、なにこれ……??レン…?」
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ひと夏の猛暑の物語4
最近、他になにもしてないなぁ…
私は考える。最近のする事といえば家事か、これ。つまらない人生を歩みつつあるといえば、そうかもしれない。また、人の羨む人生を歩みつつあるともいえる。どっちのなだろうか。少なくとも、常人の楽しみでないことは確かだ。どうしてこうなったんだろう。いや、後悔はしていない。だってこれは、自分のためじゃなくて人のためにやっているのだから。
私だって暑くないわけないんだ、こんな夏。ただあいつにだけは引けを取りたくないというか…優位な立場でいたいって感じなのか…うまく言い表せない。
あいつにこんな姿を見られたら、どうなるだろうか。私を軽蔑するのか。もうこんな私とは一緒にいられないと出ていってしまうのか。現時点ではばれてないから、今後も隠しつつ続けていこう。そう思いながら、目の前の現実を必死にこらえていた。この光景を認めてしまっては、もう今までの生活には戻れなくなってしまう気がしたから。今はこらえて、目の前の男を満足させればいい。提供金額と見合った行為をしてやればいい。
心まで売らずに、体を売る。そう、売春だ。私は常習犯なのだ、売春の。悪いって自覚はあるよ……なんてこと、今の私は考えていない。心を許したあいつに真っ先に捧げたかったこの体。まさかこんな形になってしまうとは思っていなかった。それだけに心の歪みが大きかったのだった。