「ええっ、僕が車にひかれたふりをするの?」
ミクオはネルから教えられた計画内容について確認した。ネルはこくこくと首を縦に振る。
「そうだ!ハクに車でひくふりをさせる。そしたらミクオは倒れて気絶寸前の状態になったようにして。そのまま学校の救護所に連れていくって設定だ。で、ミクオをいみきらった振りしてるレンがどんな反応してくるか検証する!!」
ー…それってもし事故ったら信用してもらえなくなるじゃん…
とミクオは心の中で思うものの、口には出さない。しかし、計画の不透明さったらない。誰が車を運転するのか、救護所に誰がスタンバイしているのか、大体、検証後のミクオとレンの関係についての配慮。なにもかも全然わからない。
「んじゃとりまリハしよっか。当日は、レンと人目のつかない場所に出かけて。サインはどうにかするわ」
ネルの説明に、とりあえずは動かなければとミクオも動き出す。



レン役のリンがミクオと手をつないで歩く。これは一応リハーサルなのだが、リンもミクオも無表情だ。
「レンと仲良くしてるあんたと手ぇつなぐなんて、屈辱中の屈辱だわ」
「僕だって常にレン君といっしょにいる君とはいっしょにいたくないんだけど」
黒~いオーラが二人の間に流れている。どうやら二人は馬が合わないようだ。それを見かねて、ネルが苦笑いを浮かべる。
「まぁまぁ、リハなんだからそうぎすぎすしないでよ」
リンがぎろり。
「あんたにゃレンをとられる恐ろしさがわからないからそんなことが言えるのよ」
ミクオがぎろり。
「僕の気持ちがわかってないみたいだね。誰よりも僕が彼を愛しているんだ」
「わ、わかったわよ。何も口出ししないから」
そう言ってネルは引き下がった。

「じゃ、ミクオがひかれるシーンやってみよ~」
リンが薄ら笑いを浮かべながら言う。その笑いがなんなのか、まだ誰もわからなかった。

「そうねぇ~。んじゃミクオ君と車…誰にしようかな…誰か車やりたい人~」
ネルが車の運転者を募集すると、思いがけない人がやりたいと願い出てきた。
「はいはいはいは~~い!!私車の運転やりたいで~す!!」
リンが手を挙げて立候補する。
「ええっ、リンがやるんじゃレン役はどうすんのよ」
ネルがリンにそういうと、リンはニヤニヤとする。
「レン役なんてどうでもいいじゃない。彼はその場の本物の彼自身で動くってことで」
「まぁ~、そうだね。あ、でもだったら車の運転シーンも本番のみでいいじゃない。よし、すべてアドリブでいこ!!ミクオはしっかり練習してくるように。以上!」
そうネルがまとめると、リンは唖然としていた。自分でチャンスを潰してしまったからだ。リンは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる中、ミクオはレンとさらにお近づきになれるチャンスができたとうきうきしているのだった。
「「あとは本番でどうレンの気持ちが転がるかだね」」
リンとミクオは同時にそう思うのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ツンデレはどこまで貫ける!?②

更新ペース遅いし出来損ないですいません><

閲覧数:339

投稿日:2010/11/27 22:18:30

文字数:1,215文字

カテゴリ:小説

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  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    おぉーうー!!
    なんとも恐ろしい作戦ですな・・・。

    レンの反応は、さてどうなるか・・・・?!

    2010/11/28 14:17:11

    • 初音ミミック

      初音ミミック

      コメあんがと?^^
      いつになるかわからないけど、更新気長に待っててくれるとうれしいです^^;

      2010/11/28 23:22:19

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