禁忌を犯した哀れな堕天使



聖なる誓いから逃げ出した漆黒の少女



二人の出会いは偶然か、或いは必然の理か



知る術などありはしない






秘蜜~黒の誓い~ 第七話【幸せの向こうに待つものは】




小鳥が囀り森が鳴く


私は朝日が昇ると同時に目を覚めた



式場から逃げ出してから二日はたっただろうか


私はまだレンと共にこの家にいる



レンはいつでも私を抱きしめてくれて

たくさんの愛をくれる



私の心は至福で満たされた

久しぶりに心から笑えた

このままずっと一緒にいたい


しかし、その願いは叶わないだろう

結婚を祝福してくれた父や母

「幸せになってね」と言ってくれた友達

わざわざ集まってくださっていた親戚や会社の皆様


私が逃げ出したことで、沢山の人に迷惑をかけてしまった

これで・・・よかったのかな



「ん…」



横で眠ってる人がうっすらと目を開ける

レンが起きたようだ



「おはようレン」

「おはようミク…早いね」

「私だってさっき起きたのよ」


レンが微笑みを浮かべて私を見る

私はそれだけで・・・じゅうぶん幸せになれる気がした



朝食を食べ終えると、レンは森の中へ入って行った

何か探し物だろうか

ついていこうかとも思ったが

一人でいいよと言われたので私は待っていることにした



レンと一緒になりたいな…


叶わぬ願いであることなんてわかっていた


まず両親が許さないだろう

というか、まず家にも入れてもらえないかもしれない

もともと、頭のお堅いあの二人のことだ

式から逃げ出したなんてしたのだから…

今頃警察に捜索願いをだしてるかもしれない

もし見つかったら…両親がレンに何をするかわからない



「両親に見つかったらレンもただじゃおかないわ」



って言ったんだがレンは微笑んで



「大丈夫だよ、ただ捜すだけじゃここは見つからない」



と言って、それ以上は教えてくれなかった


ただ捜すだけってどういうことだろう

普通の捜索の仕方じゃダメってこと?

でも普通じゃない捜索の仕方ってどういう…

…わかんない


そもそもレンには謎が多い

聞いても応えてくれない ということだが



昨日の夜見た背中のあの『傷』…

あれはいったいなんなんだろう…



「ただいま」



レンが戻ってきた

いつの間にか一時間もたっていた


「お帰り。どうして森に?」

「…左手出してくれる?」

「え…うん」



レンは、一昨日までがくぽさんとの婚約指輪が嵌っていた薬指に

可愛らしい花でできた指輪をつけてくれた


「レンこれ…!」

「野花だけど…」

「まさか、指輪にする花を探しに行っていたの?」

「あ…うん…まあ…」


そう照れくさそうに言うレンがとても可愛くて、愛おしくなった



「ありがとう…!」


そう言って、私は満面の笑みになっていた

レンは、少しさみしそうな瞳はそのままに微笑んでくれた



レンには確かに謎が多い

でも、そんなこともう気にしない

私は愛したこの人といれればもう何もいらない








―そのころ『とある場所』では一人の少女が問題になっていました―



彼女が消えてもう何日がたっただろうか


大切な部下だった。私の大切な

妹のように、娘のように可愛がっていた“あの子”がまさか…

部下の一人に、あの子について調査するように命令しているが

まだ調査結果がこない

途中報告では、最悪な報告しか入ってこなかった

どうも胸騒ぎがする

最悪な報告。それは



我々が決して開けてはいけない―禁忌の箱―が開いていて

あの子が使った形跡があるということ

あの箱は、『神』に背く禁忌の箱。『悪魔』と契約するための箱



「隊長。戻ってまいりました」

「入れ」



調査を命令した部下が帰ってきた


「…それで、あの子は…」

「…隊長のお察しの通りです。あの娘…禁忌の箱を開け、禁忌の銃を使っています」

「それで今あの子はどこに…!」

「ある人間の少女と共にいるそうです。姿を変えて」

「やはりか…」


最悪の方向だった。まさか、あの子が禁忌を犯し悪魔と契約するなんて…!


「…如何なさいますか」

「…どれだけ優秀な隊員だろうと禁忌を犯した者に罰を与えないわけにいかない」

「ではカイト隊長自ら…」

「ああ。私が行こう」

「どうかお気をつけて。あの娘…『リン』は人間の少女以外眼中にないようです」

「大丈夫だ。それさえ聞ければな」



禁忌を犯した天使を野放しなどできない


リン。知っているはずだ

禁忌を犯した天使への罰を…




















ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

秘蜜~黒の誓い 第七話【幸せのむこうに待つものは】


あれ…?なんか…長…(

今回は最後のほうにカイ兄の視点入れてみました(´・д・`)
実際一番苦労したのはカイ兄視点だったりします(
おかげで随分長くなった…別で投稿しようとも思ったが面倒だからまとめちゃったぜ(

さあそろそろミクちゃん逝っちゃう(こら
終わりが近付いてますが最終回全く考えてないです(*´∀`*)テヘ
最終回は次回か次の次かと
…秘蜜終わったら何書こう(

素晴らしい本家様→http://www.nicovideo.jp/watch/sm10282629

閲覧数:625

投稿日:2011/06/13 17:38:46

文字数:2,018文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • ミヤビ

    ミヤビ

    ご意見・ご感想

    レンミクは身長差ですよね!
    2センチに萌えますっ

    2011/07/15 14:22:17

  • ミヤビ

    ミヤビ

    ご意見・ご感想

    はじめまして!

    小説、おそれ多くもよませていただきましたっ
    私もレンミク大好きなんです

    続き 楽しみにしてます、がんばってください!

    2011/07/12 21:42:45

    • 芽衣

      芽衣

      ははははじめまして!←もちつけ

      なななんと!こんなks文に目を向けてくださってありがとうございます(*´ω`*)
      レンミクいいですよね!身長差!( ゜∀゜)o彡゜身長差!( ゜∀゜)o彡゜((違う

      ありがとうございます!じっくり考えていい回にできるように頑張ります!

      2011/07/13 17:16:28

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