「・・・・そうか」
何か落ち着かないあたしに気づいてないのか、あたしから話を聞いたあともグルトはただ頷いただけだった。
「とりあえず、レンはいつかここに来るからさ,それまでゆっくりしていけよなっ」
相変わらずグルトとあたしが重なってブレて見える。
「・・・・うん」
対するあたしは依然として落ち着かない気分のまま、返事する。
「そこ、どっか適当に座っていいから」
と、グルトは言って台所へ行ってしまった。
「・・・・ここ、座っていいのかな・・・」
残されたあたしは、散らかっている部屋の唯一散らかっていないべットに腰かけることにした。
ふと右を見ると、写真立てが目に入ッた。
・・・・これって。
「・・・ああっと、これはいくらリンでも見せられないんだ。・・・・ごめんな」
その時、グルトは手に持っていた何かをテーブルに置いて写真立てをひったくった。
「・・・そっか」
それなら、しょうがない。でも・・・写真に写っていた人って・・・。
「・・・・ま、今のは忘れてくれ。・・・知ったところで、意味がないからな」
そう言って、写真立てをあたしの目から見えない所に、おいやって
「これ、食べるか?」
と言って差し出されたのは果肉入りのフルーツヨーグルトと、プラスチックのスプーンだった。
「・・・・ありがと。でも、いいの。なんか食欲ないから」
あたしは苦笑しまがら言った。冗談じゃなくて本当のことだった。
「む、これおいしいんだけどなぁ・・・そういや、リンって蜜柑が好きだったっけな・・・。・・・ま、気が向いたら食べていいからな」
・・・なんか、グルトの声って聞けば聞くほど・・・・
「かっこいいなぁ・・・・」
「・・・え、ちょ・・・っ!?」
グルトは目をまん丸にして危うく持っていたものを落としそうになった。
「・・・ん、え、なんかあたし言ったっけ?」
「・・・・この確信犯が・・・・」
「・・・・・?」
あたしは、ついさっき言った言葉を思い返してみた。
「・・・あぁ、そっか!・・・・って、あ、なんか・・・ごめん、グルト」
あたしは、はにかみながらの苦笑いで謝った。
「・・・はぁ」
なんか、ため息疲れたんですけどぉ~~!?
「もう、謝らなくていいからさ。・・・・はぁ~・・・」
グルトはなんかグダグダにぼやいた。
「・・・・グルト?」
あたしは彼の名前を呼んだ。
「何、確信犯」
うわ、なんか変なあだ名で返された。・・・それに何、確信犯って。
なんか、あたしが悪いみたいじゃん。
でも・・・この雰囲気はあの人と喋っているようで嫌いじゃない。・・・少しだけ、息苦しくなっちゃうのが難点だけど。
・・・レン、まだかな。早く、早く・・・来て欲しいな。

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日常的環和 20話 リンの失跡×レンの失跡=悲劇 その4

こんにちわー、もごもご犬です。
・・・やべリンちゃんとグルトの2人の関係がヤバくなってる・・・。

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投稿日:2009/08/03 15:18:52

文字数:1,121文字

カテゴリ:小説

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