気がつけば昼より
夜が長くなった
瓶の中のビー玉だけ
寂しく残るの

春夏
育てた花徒と散って
祭りの後
秋風一つ吹いた

生姜のように
突き刺す後味
張り付いて離れない
こうなりゃいっそもう

この身体もろとも
瓶に閉じ込めて
跡形もなく
火刑に処しておくれ

秋冬
恋枯れた人花と散って
後の祭り
呆れたように嗤った

「しょうがない」の
一言だけでは
片付いたはずもない
灰被ったまま

この慕情まるごと
氷に閉じ込めて
千代の先まで
密かに運んでおくれ

ーーーーー

かな歌詞
※()内は1音に複数文字

きがつけばひるより
よるがながく(なっ)た
(びん)のなかのびだまだけ
さびしくのこるの

はるなつ
そだてたはなあだと(ちっ)て
まつりのあと
あきかぜひとつふいた

しょおがのよに
つきさすあとあじ
はりついてはなれない
こなりゃ(いっ)そもお

このからだもろとも
びんにとじこめて
あとかたもなく
かけいにしょおしておくれ

あきふゆ
こがれたひとはなと(ちっ)て
あとのまつり
あきれたよにわらあた

しょおがないの
ひとことだけでわ
かたづいたはずもない
はいか(ぶっ)たまま

このぼじょおまるごと
こりにとじこめて
ちよのさきまで
ひそかにはこんでおくれ