「ねぇ、カイト」
「はい、マスター。何でしょう?」
「もし何でもひとつだけ願いが叶うなら、カイトは何を願う?」
「何でもひとつ、ですか?」
「そう。何でも、ひとつだけ」
「そうですね……それだったら……」
「うん」
「『宇宙で一番、マスターを幸せにできる力が欲しい』――かなぁ」
「カイトの、願いだよ? それじゃあ私が貰っちゃうよ。ひとつだけなのに」
「俺の願いですよ、ちゃんと。『マスターに幸せでいてほしい』、じゃなくて――勿論幸せでいてほしいですけど――『“俺が”幸せにしたい』、ですから。……我侭ですけど」
「……ありがとう、カイト」
「え――はい。ありがとうございます、マスター」

「だけど、それなら。『もしもの話』じゃなくなっちゃうね」
「え?」
「ね、カイト。私といて幸せ?」
「はい。はい、マスター。幸せです」
「……うん。“それ”がね、『力』だよ、カイト。カイトが、私と一緒で、幸せって事が」
「――幸せです、マスター」

「けど、マスター。何だか……」
「ん? 『カイトが』感が足りない?」
「そんな感じです……」
「ふふ。じゃあねぇ、カイト」
「はい、マスター」
「歌って? 私の為に」
「――Yes, my master. ずっと、貴女の為だけに」

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『もしもの話』【カイマスSS】

いつもの二人で会話オンリーSS。
優しい、幸せな話が書きたくなったのです。

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投稿日:2011/03/15 22:38:08

文字数:536文字

カテゴリ:小説

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