この世界では
どこかの場所に
人魚がいると
信じられていた

ある一人の少年は
信じている者だった
「人魚を食べると不死になれる」

ああ なんと悲しいこと
それを知った少年は
人魚をいざ捕まえんと
街を出た


ある世界では
どこの場所にも
人魚はいないと
思われていた

ある一人の少女は
信じていない者だった
「人魚の肉には毒がある」

ああ なんと悲しいこと
それを聞いた少女は
人魚をいざ捕まえんと
剣を持った


少年は病の父親を救いたかっただけ
少女は憎き母親を苦しめたかっただけ


そうして二人は
地の果てでついに人魚を見た
そうして思った
「こんなに無垢で美しいものを殺せるはずがない」
人魚はただ静かに微笑んだだけ


少年は駆け出した
少女は剣を捨てた
街へ帰った少年が見たものは
既に息絶えた父の姿
家へ戻った少女が見たものは怒り狂った母の姿


人魚の神秘に惑わされるは
まるで檻に閉じ込められた
気の狂った悪夢の様



ライセンス

  • 非営利目的に限ります

人魚の檻

大好きなダークでファンタジーな世界感を目指して。
人魚は綺麗なイメージがありますけど、実はものすごく醜い顔をしてるって説もありますよね。

閲覧数:153

投稿日:2008/09/24 11:15:46

文字数:427文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました