海月の夢

空なんて見上げなければ良かった
水面に注ぐ青だけをただ
眺めていれば 幸せだった
それでも君は
あの空を泳ぎたいと願った
浜辺に打ち捨てられた命の
行先なんて 知っていたはずなのに
それでも君は

君の言葉に誰もが笑った
「お前のそれは翼じゃない」と
それでも君は空を見上げた
飽きもせず

「あの虹で歌っているは誰?」
「あの雲が流れ目指すのは何処?」
思い馳せては 胸に星を描いていた

奇異の視線とか過る現実
遠い影と這い寄る不安
どれ一つとして
君を止めちゃくれなかった

恋に落ちるように夢を見る君は
遥か高い月に自分の唄を重ねた
恋を歌うように夢を語る君の背は
僕の伸ばした指先に気も留めず見えなくなった

【大気の壁に阻まれて 空は高く】
【愛したあの空すら 憎く見えてきて……】

雨の六月 君を見つけた
朝の浜辺に打ち捨てられていた
呼吸もなくて 涙もなくて ただ静かに
君のそれは翼ではないと 気付いてたのに止められなかった
あれから毎夜 君が夢見た夢の夢を見ている

冷笑と墜ちる恐怖
去りし影 手招く終わり
どれ一つとして
僕を止められはしなかった

嗚呼 僕も行かなくちゃ あの空に魅せられたから
これは夢という名の 呪いみたいな何かだ

僕のこれは翼ではないと とっくの昔に気付いていたんだ
それでも僕は行かなくちゃ あのモノクロが落ちてくる前に

波は凪いで 雲は割れた
あの隙間に 飛び込むなら
今だ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

海月の夢 / 初音ミク

閲覧数:279

投稿日:2021/09/12 19:12:43

文字数:622文字

カテゴリ:歌詞

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