――――――――――ねえ、あなたは幽霊がなぜ現世に残るかについてどう思う?










なんでこんな質問するのかって? そりゃあ、このかなりあ荘には一人幽霊が住み着いてるじゃない? だから何となく気になって?





で、どう思う? ……ふぅん、そんなふうに考えるんだ。





私はさ、幽霊ってのは現世の人間に大切なことを伝えるために生まれると思うのよ。





例えば……以前、清花ちゃんが成仏できないのは、生前に決めた物語を書き上げるという強い意志が、彼女をこの世につなぎとめてるからと聞いたわ。





彼女はそのことによって、100年の時を経ても揺るがない力強い意志を持つことの大切さを現世の人に伝えてるんじゃあないかなって。勿論、彼女自身はそんなこと思ってないかもしれないけどね。





例えばフラれた彼女に未練を持ちながら死んだ幽霊とかは、一途に想い続ける海よりも深い愛を。





例えば自らの仕事を完遂できずに死んだ人の幽霊とかは、自らに託されたものを最後までやり遂げる意志の強さを。





例えば大切な人を遺して死んだ人の幽霊とかは、死後も誰かの事を案ずる優しさを。





例えば何かしらのスポーツ選手として戦い続けて亡くなった人の幽霊とかは、最後まで戦い続ける勇気を。





そうしてみんな何かしら、強い想いを現世の人に伝えるために、霊体になってもなお遺り続けてるんだと思うな。










ねえ、あなたはどう思う?





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「……そう言われてもわからないですよ~。それよりもルカさんのお膝あったかぁい……」

「も~……甘えん坊なお嬢さんねぇ」

「太もも柔らかいですね~……」

「Turndogと似たようなこと言ってんのにこの犯罪臭の違いはいったい……」

「ねえルカさんもっと別な話をしてくださいよ~」

「え~? じゃあ今度はうっかり酒飲んだミクが酔っぱらって私の服脱がして押し倒そうとした話でも……」

「あ、そっちの方が興味ある!」

「それってどうなのかしら……」





刑事のお姉さんが中学生女子を膝枕してそんな話をしていいのか?



そんなことを考えながら、普通の人間の少女の扱い方を学ぶためにかなりあ荘にやってきて、ちずさんを膝枕しながら赤裸々にミクのとんでもない暴露話をするルカさんを、俺とどっぐちゃんはちょっと呆れたような眼で見ていましたとさ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【単品】幽霊のココロ~遺したい想い~

ワタシターンドッグ、今あなたの後ろにいるの
こんにちはTurndogです。

ちずさんが『変なこと言ったせいで眠れないから責任取れ』と脅してきたので(おい言い方)
30分クオリティで書き上げてみました。
幽霊が現世の人の後ろに立つのは話を聞いてほしくて寂しいからだと思うんだよね。
だから変に怖がる必要はないんだよちずさん。え、俺は生きてる人間だろって?




















いつから俺が生きた人間だと錯覚していた?
《ふわっ》

閲覧数:175

投稿日:2014/04/04 01:04:30

文字数:1,073文字

カテゴリ:小説

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    しるる

    その他

    なんとなく、あまりうらやましくない
    あ、そうか、私はされたいのではなく、したいからか←

    単発なら、ほい
    【低反発まくら(10)】

    2014/04/06 01:28:26

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