行く道も分からず　来た場所もあやふやで
電車のつり革掴みながら　ずっと外を眺めている
「何処へ行くのですか？」そう聴かれた時に
分からない、と答えている
「では何処から？」また聴かれて
同じ事を僕は答えている

何故生まれたのだろう？
僕等はなんのために、この電車に乗っているのだろう・・・・

自分の体だから　人生だからって
自由に生きている人達を見て
胸が痛くなる

愛し方を知らない僕等は
ただ自分のためだけに生きてきた
一方的に愛されてきて一方的に無視して
時にそのすれ違いに涙がながれ雨となる
僕等の存在は誰かのために


行く先が見つからず　スタートさえ思い出せない
電車に揺られながら　生まれて来た意味を考える
「あなたの名前は？」そう聴かれた時は
すっと口から流れ出た
「ではその名付け親は？」また聴かれ
不思議に思いながら答える

僕の親は今何処にいるのだろう？
僕は何故この場所で、何処へ向かっているのだろう・・・

ただ親から生まれた　それだけのこと
それ以上に答えられることが
あるのだろうか・・・

生まれた意味が分からない僕等は
ただ暗闇の中を彷徨う迷子
本当の意味など知らず一方的に時は流れ
電車は海の見えるキレイな所へとたどり着いた
胸が温かくなるのを感じた


美しいものを見て　純粋に「美しい」と言える
その心こそが僕であり　僕こそが行く道なのだと
自分しか理解できない答えを見つけて
その姿を誰かが　もしくは自然が
見ていたとしたらどう思ってくれるだろうか。
そして僕は自分のレールを走り始める

答えを見つけて　問いかけてきた人を探した
さっきまで電車に乗っていたいたのに
彼も自分の道を見つけられたのだろうか？
もしそうだとしたならば
また会えることを神様に祈ろうと思う


電車を降りてから大分たつ
僕は変わった
生まれてきた意味を知り、行くべき道を見つけた
この世界には　まだ見つけられていない人達が
固定されたレールを走っている
今度は僕が導いてあげるんんだ
あの時の彼のように・・・