グロテスクな太陽と僕との距離感が未だに上手く取れないんだ。
それの何が悪いのかと尋ねられると上手く答えられない。
ただ僕の心は宇宙で最も暗い夜明け前で時間を停止させられている。
手を伸ばせば自分の手さえも見えない暗闇に。
もはや瞬きしているのかさえ分からない暗闇に。
前も後ろも、昨日も明日も分からない。
分かりたくないだけなのかもしれないが。

誰に停止されているのかを考えた事もなかった。
だから僕はこのままの状態が続けば良いと思っているのかもしれない。
諦める事が必ずしも悪い事だと思わない。
ハッピーエンドだけの物語なんて何の教訓も得られないから。

「全て言い訳ね」と誰かが呟いた。とても悲しそうな声で。
その言葉に対して僕は特に何も言い返さなかった。
「暗闇で時間を停止させているのはあなた自身なのよ」と話しい声は続いた。
しかしその言葉に対しても僕は特に驚く事も無く無言を貫いた。
そう、全て分かっていた。
しかし全て分かったからといって、その先に何をすれば良いのか分からなかった。
それに誰に相談したところで誰も何も応えてくれなかった。

「そうよ、だから答えはあなた自身で導き出さなければならないの」
僕はこれから何を始めればいいのだろう?
「まずは止めていた時間を進めなさい。バラ色の夜明けはすぐそこまで来ているわ」

バラ色の夜明け?
僕には全く想像の付かない世界だ。本当にこんな汚れた世界に存在するのだろうか?

「あなたはまずあなた自信を信じなさい。そして迷わず進むのよ」


…宇宙とさよならしなさい。

…神様にさよならしなさい。

あなたが望む光景は必ずその先にあるはずよ。

バラ色の夜明けは…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

バラ色の夜明け~ショート・スト-リー~

釣りロマンを求めての冒頭ナレーションで「振り返ればバラ色に染まった磯と海」という言葉からこの作品が生まれました。

閲覧数:646

投稿日:2012/11/02 22:27:30

文字数:714文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました