「世界よ、腐れ」と僕は言った

 翼があると嘯いて
 君に背中 見せずに
 蝋の細工で誤魔化した
 すぐに溶けるとわかっていて
 鎖すら腐る世界で
 君とワルツを踊ろう
 咎め立てする人なんて
 もういない

 僕の言葉は嘘ばかり
 君はわかっていただろう
 この世界が終わるなんてでたらめも
 君は信じていなかった
 僕も嘘のつもりだった

 ──世界に黒い雪が降った

 僕だけが並ぶ列からずれていた
 まっさらな白紙の地図
 目指す先すらもわからないまま

 腐れ 甘く腐って醜く消えればいい
 何もかも熟しすぎた果実のように
 祈れ 蝋の翼でも高く飛べるように
 たとえ君のことを
 この世界が嘲笑うとしても


 汚れた爪で引っ掻いて
 指の先を絡めて
 未完成の君の地図を 雪に埋めた
 僕は嫌いだった
 君も 君の言葉も
 愛するくらい憎んでいた

 雪が降り積もる
 黒い雪がいつまでも
 すべてを腐らせても なお降り続ける
 諦めよう
 諦めていい
 だって世界が終わるんだから 嗚呼

 さよなら ありがとう もう時間だ
 怖いね 痛くないかな 僕の手を離さないで
 ゆっくり目蓋を閉じて

 腐り落ち 甘く濁って 醜く溶けていく
 僕と君と世界は 混じって消えていく
 黒い雪 人々への罰であるかのように
 僕の歪な願い 届いたかのように
 ただ降り続ける



1A
12
つばさがあるとうそぶいて
3 3 4
きみに せなか みせずに
12
ろうのさいくでごまかした
3 3 5
すぐに 〈とけ〉ると わかっていて
12
くさりすらくさるせかいで
3 3 4
きみと 〈ワル〉ツを おどろう
12
とがめだてするひとなんて

もういない

2A
12
ぼくのことばはうそばかり
3 3 4
きみは わ〈かっ〉て いただ〈ろう〉
6 11
このせかいが おわるなんてでたらめも
11
きみは〈しん〉じていなかった
3 3 5
ぼくも うその 〈つも〉りだった
4 3 6
せかいに くろい ゆきがふった

1B
5 7 5
ぼくだけが ならぶれつから ずれていた
8 2
〈まっ〉さらなはくしの ちず
8 5 2
めざすさきすらも わからない まま

1S
3 7 10
くされ あまくくさって みにくくきえればいい
3 2 13
なにも かも じゅくしすぎたかじつのように
3 2 6 9
いのれ ろう のつばさでも たかくとべるように
3 6 15
たとえ きみのことを このせかいがあざわらうとしても


3A
12
よごれたつめでひっかいて
3 3 4
ゆびの さきを からめて
6 11
みかんせいの きみのちずをゆきに〈うめ〉た
3 5
ぼくは き〈らい〉だった
3 2 5
きみも きみのことばも
4 3 6
あいする くらい にくんでいた

2B
3 5
ゆきが ふりつもる
2 9
くろいゆきがいつまでも
4 2 4 8
すべてを くさらせても なおふりつづける
2 4 5 2
あきらめよう あきらめて いい
11 3 2
だってせかいがおわるん だから ああ
2 2
さよ なら
4 2 4
ありがとう もう じかんだ
4 7 10
こわいね いたくないかな ぼくのてをはなさないで
3 4 3
〈ゆっ〉くり まぶたを とじて

2S
5 7 9
くさりおち あまくにごって みにくくとけていく
3 7 8
ぼくと きみとせかいは ま〈じっ〉てきえていく
3 2 6 9
くろい ゆき ひとびとへの ばつであるかのように
3 7 9 8
ぼくの いびつなねがい とどいたかのように ただふりつづける

※〈〉内は1音で2文字

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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「世界よ、腐れ」と僕は言った

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こちらの歌詞募集に応募した作品です

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投稿日:2023/01/05 02:54:24

文字数:1,536文字

カテゴリ:歌詞

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